北方領土特区で揺さぶるプーチン氏 構想には不透明感も

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大野正美
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 ロシアのプーチン大統領北方領土への経済特区創設を表明した。進出する外国企業などへの課税免除で経済発展を図る内容だ。領土問題で日本側を揺さぶる狙いもあるとみられるが、日本政府は北方領土の実効支配強化につながる構想に反発。ロシア国内でもプーチン氏の表明直前まで特区の中身が二転三転し、先行きには不透明感が漂う。

 プーチン氏の発言が飛び出したのは3日、ウラジオストクでの東方経済フォーラムだった。

 構想によると、クリル諸島(北方領土千島列島のロシア側呼称)に進出する企業の法人税、財産税、土地税、運輸税を免除。特区に持ち込む機材などの関税付加価値税も、特区内にある間は免除する。進出企業が従業員に社会保険健康保険料を負担する率も、7・6%まで軽減される、とした。

 こうした特典の適用期間は10年間で、プーチン氏は「前例のない優遇だ」と強調。観光や水産加工などでの発展を期待し、共同経済活動を協議する日本を含む外国企業も利用できるとの考えを示した。

 ただプーチン氏の発言は、事前に現地で想定された内容とは異なっていた。

 現地メディアのサハリン・インフォによると、ロシア極東発展省の高官は発言前日まで「特区の特典期間は20年となる見通し」と語っていた。だがプーチン氏はその半分の「10年」とするのにとどめた。同高官は「進出企業の活動の妨げになる政府検査は5年間猶予する措置も導入する」としていたが、プーチン氏はこれも見送った。

 またプーチン氏は特区の適用除外として、仲買業や酒類などの専売のほか、石油・天然ガスなどの採掘や加工、サケ・マスやカニ類など高価値な海産物の漁獲を挙げた。「高収益が見込まれる業種」というのが理由で、進出企業にはマイナスだ。税収確保を優先し、特典を制限する方向に傾いたとみられる。

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