コロナ禍の「生存」、まるでイス取りゲーム 貧困の現場で見た菅政権

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聞き手・石川春菜
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 「生存」がイス取りゲームのよう――。コロナ禍で困窮者支援に奔走してきた「つくろい東京ファンド」の小林美穂子さんは、コロナ禍の社会をこう例えます。突然の退陣を表明した菅政権が、現場からどう見えたのか。印象的な首相の言葉とともに語ってもらいました。

小林美穂子さん=リーマン・ショック時の年越し派遣村のニュースを目にしたことをきっかけに、2009年から困窮者支援に携わる。2014年の「つくろい東京ファンド」設立時から活動。

〈政府には、最終的には生活保護という仕組みもある〉(1月の参院予算委員会)

 首相はそう言いましたが、依然、困窮者支援の現場では、「生活保護を受けるくらいなら死んだ方がいい」という声をよく聞きます。

炊き出し回っても「生活保護は嫌」

 過去に「生活保護を恥と思わなくなったのが問題だ」という発言が国会議員からされたり、「不正受給が多い」という事実とは異なる報道が一部メディアから相次いだりしたため、生活保護の仕組みはあっても極めて使いづらいものになっています。

 政府にはネットやテレビCMも使い、世の中を覆う「負のイメージ」を払拭(ふっしょく)するに足る広報をして制度の利用を後押しする責任があると思いますが、具体的な対策はほとんどとられていません。

 生活保護を受けたくないと、各地のフードパントリーや炊き出しを回ってなんとか生活費を浮かせようとしている人がたくさんいます。コロナ禍で親からの仕送りが無くなったり、飲食のアルバイトが無くなって減収したりした、大学生など若い世代も多いです。子どものため、仕事帰りに炊き出しを回るお母さんもいます。

コロナ禍いつまで 公助はどこに

 緊急小口資金や総合支援資金…

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