丸刈り強制「きつかった」法廷で元生徒訴え 県相手取り損害賠償訴訟

堀越理菜
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 熊本県済々黌高校の部活動で丸刈りを強制されたことなどが原因で不登校になり、転学を余儀なくされたとして、元生徒の男性(19)が県を相手取り1円の損害賠償を求めた訴訟の本人尋問が6日、熊本地裁であった。男性は、当時の苦しい心境を語った。

 法廷で男性は、ついたて越しに学校での出来事を振り返った。はっきりとした口調だった。

 2017年4月に入学。入部したソフトテニス部では、丸刈りにすることが伝統だった。断れる雰囲気ではなかった。3年生に頭を刈られている時の心境を「きつかった」と振り返った。

 部活以外でも応援団に1年生が集められ、屋上で裸足になって校歌を大声で歌った。その際に「声が出ていない」などと顔の近くで威圧的に指導されたという。「いつまで続くか分からなかった。とても苦痛でした」

 男性はその後、うつ状態になり、18年春に転学した。学校側が部活などでのこうした指導を制止せず、安全配慮義務違反があったなどと訴えている。法廷で男性は「先輩が後輩に対してとる威圧的な態度は『シメ』と呼ばれ、それを容認する学校も加担している」と話した。

 県は、丸刈りは強制ではなく自主的なものだったなどと反論。「元男子生徒の進路変更との因果関係は薄い」と主張し、争っている。(堀越理菜)