ジャンポール・ベルモンドさん死去、88歳 「勝手にしやがれ」主演
パリ=疋田多揚
「勝手にしやがれ」など数々の映画で主演を務めたフランスの代表的俳優、ジャンポール・ベルモンドさんが6日、パリの自宅で死去した。88歳だった。AFP通信などが伝えた。同通信によると、家族が弁護士を通じて「安らかに息を引き取った」と明らかにした。
1933年、パリ近郊に生まれ、彫刻家の父と画家の母の家庭に育った。少年時代はボクサーにあこがれ、やがて舞台俳優を経て、ジャンリュック・ゴダールが監督した60年公開の「勝手にしやがれ」の自動車泥棒ミシェル役で、人気に火がついた。自由気ままな役柄は、当時の若者の共感を呼び、ヌーベルバーグを代表する俳優となった。
その後も、ゴダール監督の「気狂いピエロ」(65年)をはじめ、フランソワ・トリュフォーやアラン・レネらの監督に起用され、人気は不動のものとなった。
ほかにも、「リオの男」(64年)や「カトマンズの男」(65年)などのアクションシーンでも才能を発揮し、フランスでは、アラン・ドロンを上回る人気を得ていた。
日本には、芝居「シラノ・ド・ベルジュラック」の主役として、92年に東京公演で来日しており、好評を博した。
生涯で80以上の作品に出演し、後年はプロデューサーとしても活躍した。カンヌ国際映画祭の名誉パルムドール、ベネチア国際映画祭の栄誉金獅子賞を受賞した。(パリ=疋田多揚)