ベラルーシ抗議運動の中心人物に禁錮11年判決 欧米からは非難の声

モスクワ=喜田尚
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 ベラルーシの首都ミンスクの裁判所は6日、昨年8月の大統領選の不正疑惑に対する抗議をめぐって権力強奪の陰謀などの罪に問われた音楽家マリヤ・コレスニコワ被告(39)に対し、禁錮11年の判決を言い渡した。コレスニコワ被告は選挙後全国に広がったルカシェンコ大統領に対する退陣要求運動の中心的存在。欧米各国は政権が今も続ける反政権派弾圧の象徴として一斉に判決を批判した。

 大統領選でルカシェンコ氏に対する最有力の対立候補と目されながら立候補を阻まれ、7月に資金洗浄などの罪で最高裁で禁錮14年を言い渡された元銀行頭取ビクトル・ババリコ受刑者(57)に続く厳しい判決となった。コレスニコワ被告と同じ法廷でババリコ受刑者の陣営弁護士(40)にも禁錮10年が言い渡された。

 判決後、欧州連合(EU)報道官は声明でコレスニコワ氏を「ベラルーシ民主化運動のシンボルのひとり」とし、ルカシェンコ政権に対し「650人を超える政治犯の即時釈放」を要求。米国のブリンケン国務長官も判決を「政権が人権、基本的自由を完全に無視している新たな証拠だ」と批判する声明を出した。

 コレスニコワ氏もババリコ陣営の元幹部。選挙戦では反政権派の統一候補となった主婦のスベトラーナ・チハノフスカヤ氏(38)を支えた。選挙後、対話による政権交代を目指す調整委員会を立ちあげたが、広がるデモに危機感を強めた当局は関係者を次々拘束。コレスニコワ氏は昨年9月ミンスク市内で拉致され、出国を強要されたが、国境で自分のパスポートを破って抵抗。自ら拘束・訴追される道を選んだとされる。

 法廷でも選挙戦や抗議デモの当時と同様に両手でハートマークを型取り、抵抗の意志を示し続けた。6日法廷取材を許された国営メディアはカメラに向かって笑顔を見せ、手錠をはめられた手でハートマークを示す映像を配信。国外で反政権活動を続けるチハノフスカヤ氏は同日、ツイッターに「我々はベラルーシのすべての人が自由になるまで(活動を)やめない」と書き込んだ。(モスクワ=喜田尚)