「遅すぎ、少なすぎ」だった菅政権 親と子がひもじさ分け合うこの国

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聞き手・久永隆一
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 「肉も魚も食べられない」。子どもの筆跡の手紙がある日、特定NPO法人「キッズドア」理事長の渡辺由美子さん(57)のもとに届いた。終わりの見えないコロナ禍で、困窮する子育て世帯を支援してきた渡辺さん。退陣表明した菅義偉首相や有権者に訴えたいことがある。

<国民の皆さんの命と暮らしを守る>(9月3日の退陣表明)

 首相がたびたび発する「国民」という言葉に、私たちが支援している人たちは含まれるのかな。率直にそう思いました。

 政府は3月、困窮する子育て世帯向けに子ども1人あたり5万円の給付金を配ることを決めました。ふたり親も初めて対象になったことは歴史的なことです。従来、支援対象はひとり親が中心でしたから、この点は首相の成果だったと思います。

 ただ、こうした給付金への対応は「Too Late Too Little」(遅すぎる、少なすぎる)でした。

渡辺由美子

1964年生まれ。大手百貨店、出版社を経て、2009年に特定NPO法人「キッズドア」を設立。困窮子育て家庭の学習支援や食料支援、政策提言を行う。内閣府「子供の貧困対策に関する有識者会議」構成員。

困窮する子どもからの手紙

 私たちは4月の入学や進級の時に費用がかかるので、政府に支給を要望していたわけです。ふたり親への支給は6月以降になり、全く間に合いませんでした。遅れたのだから、給食がなく、食費がかさむ夏休みも見越して、1人5万円を、1人10万円に引き上げて欲しいという要望もしましたが、対応していただけませんでした。親が1日1食しか食べられないという状況は今もあります。

 私たちは、もともと低所得世帯の子どもたちへの学習支援をしてきましたが、コロナ禍の昨年から食料支援も始めました。東日本大震災の支援にも携わりましたが、1年6カ月もご飯を食べられない、という状況が続くことはありませんでした。

 今年のゴールデンウィークこ…

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