核燃料サイクルの村にお宝ザクザク?世界遺産近く、未調査の縄文遺跡

安田琢典
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 核燃料サイクル事業で知られる青森県六ケ所村だが、縄文時代以降を中心に、およそ150カ所もの遺跡があることは意外に知られていない。村は東海大学の研究グループなどとともに、地道な調査を続けている。

 8月下旬~9月初旬、同大の研究グループが村南部にある金堀沢遺跡でレーダー探査機を使い、遺跡の規模や埋蔵物を調査した。

 小川原湖に近い、雑木林の中にある縄文時代早期(約7千年前)の遺跡だが、人々の営みが断続的に続いた後、6~9世紀にいったん人の生活が途絶えた可能性が高いという。そして平安時代、馬を飼育した人々が入ってきたことで、再び栄えたとされる遺跡だ。

 2014年度から金堀沢遺跡を調べる同大文学部の松本建速教授(考古学)は「ほとんど手つかずの状態で残っている重要な遺跡。なるべく壊さないよう慎重に調べている」と話す。

 村立郷土館によると、村内の遺跡の大半は1970年代の「むつ小川原開発」に伴う発掘調査で見つかった。しかし、核燃関連施設や道路整備が優先されて遺跡は調査後に取り壊されたため、ほとんど残っておらず、世界遺産の構成資産から外れている。

 とはいえ、縄文時代後期の大石平遺跡から出土した円板状土製品など198点は、国の重要文化財に指定されている。草創期の表舘遺跡から出土した隆起線文土器や、晩期の上尾駮遺跡で見つかった鼻曲がり土面も貴重な資料。中期の富ノ沢遺跡などからは大規模な住居跡が発掘されている。

 これらの出土品や縄文遺跡群を説明するパネルは、郷土館の常設展示などで紹介されているが、残っている遺跡の大半は未調査の状態だといい、鈴木浩館長は「本格的な調査をすれば、多くの貴重な資料が出てくる可能性は高い。世界遺産の構成資産から外れているが、六ケ所村は遺跡の宝庫だということを多くの人に知ってもらいたい」と話している。(安田琢典)