タリバンも信頼を寄せる外交術 欧米諸国の要人が詣でる先は…

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 湾岸アラブ産油国カタールの外交力に、国際社会から注目が集まっている。アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンとの太いパイプがあるため、各国要人が相次いで首都ドーハを訪問している。日本エネルギー経済研究所中東研究センターの堀抜(ほりぬき)功二主任研究員にカタールの独特な外交姿勢について尋ねた。

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 湾岸諸国の小国カタールはイランやサウジアラビアイラクといった大国に囲まれている地政学的環境から、様々な国・勢力と友好的な関係を築いてきた。国際政治上の大国だけでなく、タリバンのように国際社会が承認しない武装勢力などとも関係を維持することにより、多くの「外交カード」を持っている。

 特に仲介外交には実績がある。中東・アフリカ地域で国内政治の対立や近隣諸国と対立している国々・アクターを中立的な立場で仲介し、問題解決を支援してきた。米国とタリバンの和平合意(2020年)もカタールによる仲介支援の成果だといえる。カタールにとっては外交的影響力と国際的名声を高めることにつながっており、自国の安全保障にも役立っている。

 このようなカタール特有の外交戦略はハマド首長の時代(1995~2013年)から活発になった。サウジやアラブ首長国連邦(UAE)などを中心とする湾岸協力会議(GCC)の方針と、独自外交を展開するカタールの立場に齟齬(そご)が生じるようになった。

 13年にタミム首長が即位すると、周辺国との関係改善を目指したが調整がつかず、17~21年のカタール断交として対立が問題化した。このときでさえ、カタールはイランやトルコなどから外交的・経済的な支援を受け、また米国や西側諸国からの支持も得た。何か外交的なトラブルに巻き込まれても、支援してくれるセーフティーネットがあることは、カタールの大きな外交的資産だ。

 タリバンとの関係では、カタ…

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