実刑判決「むかつく」、秋元議員 地裁は「公人の倫理観欠如」と非難

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川嶋かえ、原田悠自、金子和史
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 ぜいを尽くした接待を受け、証人買収という露骨な司法妨害を行った。公人としての倫理観がない――。懲役4年の実刑を言い渡した7日の判決には、現職の衆院議員・秋元司被告(49)を非難する言葉が並んだ。弁護団は「ひどい認定だ」として即日控訴した。(川嶋かえ、原田悠自、金子和史)

 「秋元議員の供述は全く信用できない」

 7日午前、東京地裁。弁護人の隣で腕組みをしながら判決を聞いた秋元議員は、首を時折かしげて納得がいかない様子をみせた。

秋元司衆院議員の無罪主張を一蹴、東京地裁の判決

 判決はすべての起訴内容を認め、秋元議員が2019年12月の逮捕時から訴えてきた無罪主張を一蹴した。

 秋元議員が問われた一つ目の罪は、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業の参入を目指す中国企業側から約760万円の賄賂を受け取ったというもの。最大の争点は、議員会館で現金300万円の授受があったかだった。

 秋元議員は、スマートフォンのアプリの記録などを根拠に「(別の場所にいて)議員会館には行っていない」と主張。これに対し判決は「アプリは秋元議員の動静を正しく反映していない。証明力に乏しい」と退けた。

 講演の対価だと反論した200万円も、「副大臣就任祝いの趣旨で賄賂性は明らかだ」。贈賄側が支払った旅費など計約260万円は「ぜいたくぶりが際立ち、接待旅行と容易に推察できた」と述べた。

地裁「執行猶予の余地も」

 だが判決は、秋元議員が賄賂を要求しなかったことなどをふまえ、収賄の罪だけなら「執行猶予を選択する余地が残されていた」との考えを示した。そのうえで、証人買収の罪を重ねたことが実刑になった理由だと説明した。

 贈賄側に公判で偽証するように秋元議員が支援者らに依頼したと認めた判決は、「保釈直後から前代未聞の(証人買収という)司法妨害におよび、積極的かつ主導的に推し進めた」と指摘。司法制度をゆがめようとした行為への罪悪感がなく、「公人の倫理観はおろか最低限の順法精神すら欠如している」と述べて実刑判決を導いた。

 汚職事件で現職の国会議員が起訴され、一審で有罪判決を受けるのは2004年の鈴木宗男氏以来17年ぶり。17年に新設された証人買収罪の適用は、今回の事件が初めてだった。

弁護団は「ひどい認定だ」、秋元議員は「むかつく」

 「考えた中で最悪のシナリオだった」。弘中惇一郎弁護士ら秋元議員の弁護団は判決後に会見し、「控訴審で誤りを正す」という姿勢を示した。

 弘中弁護士は、無罪主張の根拠とした日程表やヘルスケアアプリについて「客観的で信頼性が極めて高い」と改めて主張。証明力を否定した判決について、「客観証拠ではなく、贈賄側のあやふやな供述で有罪と認定するのはひどい」と批判した。

 秋元議員は判決後、「むかつく」「頭にくる」と語ったという。

 秋元議員は公判中に保釈されていたが、実刑判決を受けたことで効力がなくなり収容された。このため弁護側はすぐに保釈を申請。東京地裁が許可する決定を出し、これを不服とした東京地検の抗告を東京高裁は棄却した。

 秋元議員は保釈保証金1億円を納付し、7日夜に東京拘置所から保釈された。

 贈収賄事件の舞台になったI…

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