三重の鈴木知事、衆院転出の事情 緊急事態宣言下で知事選12日投票

有料会員記事2021衆院選

大滝哲彰
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 感染拡大が止まらない新型コロナウイルス自民党総裁選に関心が集まるなか、三重県は12日投開票の知事選まっただ中にある。鈴木英敬知事(47)が8月に突然、次期衆院選で三重4区から自民党公認で立候補をめざすと表明し、3期目途中の9月12日付で辞職することになったからだ。

 各地の知事がコロナ対応の正面に立ち続けるなか、任期途中に転出を決めた背景を探った。

 「最後の一瞬まで、コロナ対策に全力をあげて頂きたい」

 3日、菅義偉首相が総裁選に出ないと突然表明し、鈴木知事は記者団に求められてそうコメントした。

 その数時間前の定例記者会見では、まさしく自身が「最後の一瞬まで、知事として全力を尽くす」と強調。コロナ禍のかじ取り役を途中で退く姿を重ね合わせているかのようだった。

 「悩みに悩みに悩んだ。大きな、大きな心の葛藤もあった」

 8月5日、「退職申出書」を県議会議長に提出後、記者会見した鈴木知事はそう語ったが、言葉通りに受け取る人は多くない。

 自民関係者は「鈴木知事の衆院転出のカギは、安倍晋三前首相、後継の菅首相との近さだ」と指摘する。

 鈴木知事は第1次安倍政権の官邸スタッフで、教育再生や地球環境問題に取り組んだ。安倍政権で2016年の伊勢志摩サミット誘致に成功した。

 同年の参院選国政選挙は中立を保ってきた鈴木知事が自民公認候補の応援に駆けつけ「伊勢志摩サミットという県政最大のチャンスをいただいた安倍総理率いる自公政権が長く安定的に運営されることが、三重県にプラスになる」と演説した。

 こうした経緯から「当然安倍さんからも立候補を促されていたと見るべきだ。衆院に挑戦するなら安倍、菅両氏の力が残る今回がラストチャンスだった」(自民関係者)。

 小学校時代の夢を「総理大臣」としている鈴木知事。自民県議も「今回逃せば次は50代。遅いと踏んだのだろう」。

 鈴木知事は転出を「5月の三…

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