保育園自粛「どうすれば協力を」 自治体が苦悩、保育料の減額相次ぐ

新型コロナウイルス

小林祝子
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 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、埼玉県内の保育所で園児の登園自粛を呼びかける動きが出てきている。国が「原則開園」とする一方、県は市町村に必要に応じて登園自粛の検討を促す通知を出した。感染防止と保育の維持のはざまで、保育所も難しい選択を迫られている。

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 厚生労働省緊急事態宣言下でも保育を必要とする保護者が大幅に減ることが想定されていないことなどから、登園自粛を求めた昨春の緊急事態宣言時と異なり、保育所は「原則開所」とする方針を決めている。一方、県は感染拡大を深刻視。8月24日に県内の全市町村に、必要に応じて保育所の自粛要請について検討するよう求める通知を出した。担当者は「あくまで各自治体の判断だ」とする。県によると、8月27日時点で7市町が実施していたが、歩調を合わせる動きが広がり始めている。

 戸田市は1日、市内の計57の保育所に子どもを通わせる保護者に対し、登園自粛の協力要請を出した。登園しなかった分は、日割りで保育料が減額される。当面、9月いっぱい自粛を求める予定だ。

「家庭で見られる場合は…」「仕事あるのはわかるが」

 これまでにも「家庭で子どもをみられる場合は家庭で」とお願いをしてきた。だが、自主的に休ませる保護者は少なかったという。一方で、感染者の急増で余裕がなくなった保健所は、濃厚接触者やPCR検査対象者を特定する積極的疫学調査を縮小。園児や保育士らが陽性と判明した場合、どの範囲で園を閉めるかの判断が難しくなった。

 そのため、一段と踏み込んだ対応をするとともに、協力を得られやすくするよう、保育料の減額措置も決めた。市の担当者は「保護者にも仕事があることはわかるが、テレワークの普及など勤務形態も変わっているのではないか。保育士も感染の危機にさらされ、業務につけない人も増えている。少しでも保育所の負担を減らしたい」と要請について説明する。

 所沢市も、市内の103の保育所に子どもを通わせる保護者に対し、8月28日から登園自粛要請と保育料の減額を打ち出している。

「体調不良でも子供預ける保護者絶えず」

 7月末から、園児らが陽性と判明した場合、保健所に代わり市の保健師が濃厚接触の範囲などを判断して休園などの対応を決めていたが、感染拡大と3度目の緊急事態宣言が後押しした。市の担当者は「『コロナ慣れ』というのか、保育現場からは多少の体調不良でも子どもを預けにくる保護者が絶えないとの声が届く」と要請に踏み切った背景を話す。

 一方、上尾市は現時点で自粛要請や自粛に伴う保育料の減免はしない方針だ。国の方針に加え、地元保健所の積極的疫学調査もまだ機能していることが理由という。担当者は「子どもを預けなければならない家庭状況を考え、必要に応じた閉園などで対処する」と話している。(小林祝子)

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