福島沿岸、水辺の生物はいま 震災から10年半 風評払拭にも一役

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小坪遊
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 福島県沿岸の湿地や水田で、絶滅の恐れのある生き物が次々に見つかっている。東日本大震災の巨大な津波や原発事故で大きな影響を受けた地域だ。専門家は「貴重な生物がすむ田んぼのお米」という付加価値が、農業の復興に貢献してくれると期待している。

 福島県相馬市の沿岸にあるヤブに囲まれた沼で7月、水生昆虫の調査があった。確認されたのは甲虫類や水生カメムシ類のマツモムシだ。イトトンボやシオカラトンボの仲間もいた。近くのヨシ原では2019年、環境省のレッドリスト(RL)で準絶滅危惧種のエサキアメンボが、県内で初めて確認された。

 一方、15年には震災前にはいなかった外来種のウシガエルが見つかった。マツモムシやコオイムシが減ったが、ウシガエルの駆除を続けると、一部は数が回復した。

 調査と駆除は、地元の子どもたちが生物多様性と触れ合う場だ。記者が同行した日は、中学生や高校生らを含む地元ボランティアが参加していた。

 「会ったことのない虫に会えてうれしい」。市内の小学4年生の和氣皓生君(9)は3年生の時から参加している。「水生昆虫が好き。これからも参加したい」と声を弾ませる。これまでに捕まえた一番の「友達」はゲンゴロウだという。こちらはRLの絶滅危惧種だ。

 近くの同市磯部大洲の湿地に…

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