タリバンの主張支える社会的背景 「女に教育はいらない」と言う人々

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聞き手・鈴木友里子
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 アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが復権し、女性の権利が大きく制限されるのではないかと懸念されています。タリバンは1996年から2001年の旧政権時代、極端なイスラム法の解釈で女性が教育を受けることを禁じ、国際的な批判を浴びました。

 20年ぶりにタリバンが政権を発足させようとしている今、アフガニスタンの女性たちはどのような状況に置かれているのでしょうか。02年から現地の女子・女性教育を支援してきたNGO職員の小荒井理恵さんに聞きました。

 ――01年までの旧タリバン政権下では女性は教育を受けることが禁じられていました。

 「旧タリバン政権の前からアフガニスタンの教育状況の進展は遅れていました。紛争や貧困、そして人によっても考えが異なりますが、女子・女性が教育を受ける必要はない、といった社会的慣習が大きな要因です。

 そして90年代半ばにタリバンが政権を握ると、女性の看護教育を除き、10歳程度を境にそれ以上の年齢の女性の教育を禁止しました。

 ただ一部では、一般の市民の自宅など、公式な学校以外の場所での教育は続けられていました。ホーム・ベースド・スクールやコミュニティー・ベースド・スクールと言われています。タリバンは一枚岩の集団ではないので、中にはそれを容認していた構成員もいました」

 ――小荒井さんは、旧タリバン政権が崩壊後の02年から、現地の女子・女性の識字教育などに取り組んできました。

 「中にはホーム・ベースド・スクールのような形で教育を受けることができる女子もいましたが、全体的に見れば旧タリバン政権下では女子・女性が学ぶ機会は大きく制限されていました。

 そのため旧政権の崩壊後、日本を含めた国際社会やアフガニスタン政府は、特に女子・女性への教育を重要視しました。資金援助だけでなく、多様な教育活動の実施や現地の人材育成などの支援を通じ、アフガニスタン政府とも協力しながら、教育環境や教育の質の改善、発展に取り組んできました。

 実際、01年以前には約90万人と言われていた就学者数は、アフガニスタン教育省によれば、この数年は男女あわせて900万人以上まで増えていました。これはアフガニスタン史上、最多です。

 一方、18年の段階で学校に行けない子どもは370万人いて、その6割が女子です。また、15歳以上の成人で読み書きができない人は1200万人以上いますが、6割が女性です。成人の識字率は全体で43%ですが、女性に限れば約30%と非常に低いのが現状です」

 ――タリバン政権崩壊後も男女の教育格差は大きいままです。

 「この20年間で人々の女子…

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