寛容になれと不寛容に主張 支持広がらぬリベラル勢力、固定客見誤る

有料会員記事2021衆院選

聞き手・石川智也
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 内閣支持率が低下しても、野党第1党の支持率は1桁台のまま。迫る衆院選で、リベラル勢力は政権批判の受け皿になれるのか。安倍政権下の国政選挙で6連敗した理由は、野党も支持者も潔癖主義に陥っていることにある――。政治学者の岡田憲治さんはリベラル派の立場から、リベラル勢力をそう批判し続けてきた。そして自戒の念から「友を失っても仲間を増やせ」という境地にたどり着いたという。その真意を聞いた。

     ◇

 ――衆院選に向けて8日、野党4党が共通政策をまとめました。ただ、立憲民主党国民民主党、支援団体の連合は、共産党との関係をめぐって距離が縮まりません。

 「横浜市長選で事実上の野党統一候補が勝利したことと併せ、弾みをつけたとリベラル陣営は思っているでしょうが、この共闘は『ガラスの結束』です。対等性を欠いた、共産党に一方的に支援させる選挙協力はいつでも空中分解し得ます」

 「互いに譲り合い、選挙区での候補者調整と比例区での統一名簿作成を全国で進めなければ、今回も野党の敗北は目に見えています」

 ――前回衆院選で、自民・公明両党の得票率計は選挙区も比例区も50%に届かず、野党候補が競合した220余りの選挙区のうち、その得票計が与党候補を上回った選挙区は60以上ありました。

 「つまり小学生にもわかる必勝法があるのに、ゲームの仕組みを無視してバラバラに戦い、与党候補に議席をプレゼントしてきたわけです。自民公認、公明推薦の候補に対し野党候補が乱立していたら、最初から勝負あり。有権者は、勝つ気があるのか?と萎(な)えます。小異を捨てて大同につき、仲間を増やし、政策を実現するために政権を目指すという議会政治の本道を踏み外したことをやっているリベラルが、連戦連敗したのは必然です」

 「過半数を取れないまでも、伯仲国会を実現できれば、常任委員会の委員長ポストをかなり獲得できます。審議拒否により定足数を不足させ、委員会を開かせないという戦術も使えますが、いまは委員会を開く与野党交渉すらできない。憲政を破壊しているとしか言いようのないこの8年の政権運営・国会運営を許してきたのは、野党にも大きな責任があります」

リベラル派の集会で苦言を呈すると強い反発を受けるという岡田さん。今春まで小学校のPTA会長を務め、義務と負担だらけを変えると筋論でみんなが喜ぶであろう改革を進めたら、一時「周囲は敵だらけ」という状況に陥ったそうです。記事の後半ではその過程で見いだした「政治の原義」について語っています。

「正しい主張をすれば支持される」という幻想

 ――しかし、政策のすり合わせが不十分な共闘は、選挙目当ての「野合」との批判を招くのでは。

 「自民党の右派と公明党の政…

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