8日に亡くなった元ニッポン放送アナウンサーの深沢弘さん(85)。投手として南海ホークスや阪神タイガースで活躍し、1981年に引退した江本孟紀さん(74)にとっては、解説者としての江本さんの“生みの親”であり、大恩人だったといいます。深沢さんとの思い出を聞きました。
「あんたはそんな人間じゃない」
ちょうど40年前、「ベンチがアホやから野球がでけへん」発言で仕事がなくなり、大阪で路頭に迷っている時、深沢さんから連絡があったんです。
「江本が、そんなことを言うとは思えないんだよな。あんたは、そんな人間じゃない。俺は、あんたを解説者で使いたい」と。
野球アナウンサーとして有名な深沢さんのことは知っていたけど、面識はありませんでした。でも深沢さんは私の法政大学の大先輩、関根潤三さん(故人、元近鉄・巨人、大洋・ヤクルト監督)と仲がよかった。法政野球のことも詳しかった。それで、「よっぽどのことがあったんだろ」と思ってくれたみたいです。
「起用はするけど、プロ野球選手の年俸みたいに、高いお金は出せないぞ」と言われましたが、こちらは大阪で放り出されて、仕事も何もない。ベストセラーになった著書「プロ野球を10倍楽しく見る方法」を書いたのも、深沢さんから声がかかって半年ぐらい後のことです。本当にありがたかった。
関西のマスコミからは冷たくされて、仕事が全くなくなるという時でしたから、本当に大恩人です。深沢さんがいたから、今も私は野球解説者でいられるのです。
解説者の能力を試す「さあ、どうする?」
いざラジオ中継で解説の仕事…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら
- 【視点】
「日本の野球アナウンサーのトップランナーで、神様みたいな人でした」と江本さん。 わたしも子どもの頃から「ニッポン放送ショウアップナイター」を楽しみに聴いていました。ご冥福をお祈りします。 ところで「ベンチがアホ」事件について、今でも
…続きを読む