「立件ありき、反省を」違法捜査解明へ 起訴取り消された社長ら提訴

村上友里
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 生物兵器製造に転用が可能な噴霧乾燥機を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(72)らが8日、捜査の違法性を明らかにするため、国と東京都に約5億7千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 大川原社長の弁護団は会見で、同社製品が輸出規制の対象ではなかったとしたうえで「立件ありきの強引な捜査について反省を促したい」と語った。訴状では①警視庁と東京地検経済産業省の輸出規制の省令を誤って解釈した②規制対象の根拠とした実験に不備があった――などと指摘。「犯罪の嫌疑を判断する上で合理的な根拠を欠いている」と訴えている。

 地検と警視庁は「コメントできない」などとした。

 大川原社長ら幹部3人は昨年3月、警視庁公安部に外為法違反などの疑いで逮捕され地検に起訴された。地検は公判開始直前の今年7月に「製品が規制対象という立証が困難になった」と起訴を取り消した。勾留は約11カ月におよび、3人のうち顧問の男性が勾留中に体調を崩し、がんで亡くなった。(村上友里)