大和郡山市、ごみ処理施設を単独建設へ

伊藤誠 上田真美
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 奈良市大和郡山市斑鳩町の3市町が共同で建設を検討してた新しいごみ処理施設(クリーンセンター)について、大和郡山市は単独で建設する方針を決めた。3市町でつくる勉強会から離脱する旨を伝えた。建設地として奈良市七条地区が候補に挙がっていたが、大和郡山市側の地元自治会から反対の要望書が出されたという。

 大和郡山市は8月末、奈良市に対し、3市町で検討してきたごみ処理施設建設の勉強会から離脱する意向を伝えた。同月17日、候補地周辺にある大和郡山市側の8自治会から反対意見が寄せられたという。

 同市の中尾誠人副市長によると、「候補地の周りは養護学校や病院、薬師寺がある。ごみの量は3倍になるし、車も増えることを危惧している。適地とは思えない」という趣旨で、奈良市の計画に反対することや勉強会からの離脱も自治会側から求められたという。

 同月末までに8自治会すべてから同趣旨の要望書も出されたため、大和郡山市は「今後、状況は変わらない」と判断した。中尾副市長は「今後は市単独で施設を建て替えることになる」と話した。

 市によると、清掃センターにある現在のごみ焼却施設は2015~17年度に長寿命化工事を済ませており、32年度まで使える。今後は同じ敷地内で焼却施設を建て替え、33年度から稼働させる方針。環境アセスメント発掘調査などを考えると10年ほど期間が必要という。

 また、奈良市の計画が現行のまま進むと、約300メートルの距離でごみ焼却施設ができることになる。これについて、中尾副市長は「大和郡山市は同じ場所ですでに40年近く稼働している。どうするかは、新たに建設を計画している奈良市が判断すべきことだと思う」と話した。(伊藤誠)

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 奈良市の仲川げん市長は大和郡山市の方針について8日の市議会で「このようなご判断をなさったことは大変残念」と述べた。

 奈良市のごみ処理施設は完成から40年近く経過し、老朽化が進んでいる。最近では、焼却炉の部品に不具合があったため、8月23日から稼働を停止している。

 仲川市長は取材に、早急な建て替えが必要との認識を改めて示した。「環境アセスメントが進んでいることもふまえ、今の候補地が望ましいと考えている。地元の皆さんとの対話も進め、より丁寧に対応していくしか道はないと思う」と述べた。今年度中に市としての新たな方針を示したいという。

 斑鳩町の担当課は「今後、奈良市と協議をした上で、どうしていくのかを検討する」としている。

 新しいごみ焼却施設の建設を巡っては、広域化も一つの選択肢として、17年に大和郡山市生駒市平群町が勉強会を立ち上げ、翌年に奈良市斑鳩町が参加した。その後、奈良市の示した案では時期が合わないとして生駒市平群町が脱退。大和郡山市も、今年度中に地元同意が得られなければ、単独整備も視野に入れるとの意向を示していた。(上田真美)