「空飛ぶパスタ」でめざす新ビジネス ドローン宅配の可能性と課題

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里見稔
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 新潟市が都市部での無人航空機(ドローン)を使った宅配事業の実用化に力を入れている。政府が進めるドローン活用拡大の流れに乗り、頓挫したドローン事業の復活を狙う。だが、需要の把握や安全性の確保などビジネスモデルの確立には多くの課題が残る。(里見稔)

 6月、新潟市中心部の新潟駅南口の商業施設の屋上から1機のドローンが飛び立った。機体に積まれたのは、施設内の飲食店で調理されたばかりのパスタ。駅前の大通りの上空を飛行し、数分後に約180メートル離れた別の商業施設の屋上に届けた。

 「しっかり温かい。映画の世界みたい。空飛ぶパスタですね」。ドローンを使った宅配の実証実験で、パスタを受け取った中原八一市長は満足げに語った。

 実験は、新潟市と市内のベンチャー企業「TOMPLA(トンプラ)」が提携し実施された。周辺町内会への事前説明や警察との調整など、実験に向けた手配は市が担った。市によると、駅前などの商業エリアでの実証実験は全国初という。ドローン活用を進める内閣官房・小型無人機等対策推進室の担当者も「これまでほとんどが人口過疎地での実験。駅前は確かに珍しい」と話す。

 市が力を入れる背景には、今年6月の航空法改正がある。これにより2022年度中に操縦者のライセンス(技能証明書)取得などを条件に、ドローンの機体を視認できない「目視外飛行」が、人や車がいる場所でもできるようになる。

 市成長産業支援課の宮崎博人課長は「(法改正を)きっかけに都市部でのドローン宅配ビジネスを展開させていきたい」と今回の実験の意義を強調する。

 だが、実験では地上の学生アルバイトが一般の歩行者を誘導。操縦者もドローンを目視しながら飛行させ、「デモンストレーション」に近いものだった。また、受け渡し場所の人員配置や悪天候で飛行できない場合の代替手段といった実用化に向けた課題も明らかになった。

 市と同社は、年内に市内のほかの商業エリアや信濃川の上空などでの宅配実験も計画、協力企業の募集も念頭に置く。

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 新潟市は、金属製品関連の中…

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