「バッハの隣人」のサロンで弾いた4番、世界的チェリスト堤剛の感銘

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聞き手・小原智恵
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 世界的チェリストで、日本クラシック界の重鎮・堤剛さん(79)が名古屋・伏見の三井住友海上しらかわホールで10日に開かれる「堤剛 無伴奏チェロ・リサイタル」を前に、朝日新聞の取材に応じました。小4の頃からたたき込まれたというバッハ。何十年も前にドイツのサロンで披露した組曲で、忘れられない音の響きに出会い、今回演奏するホールにその可能性を感じたといいます。バッハとの出会いから、79歳を迎えた演奏家の心境まで、堤さんが語りました。

 名古屋で無伴奏っていうのは本当に久しぶりです。私としても今までの集大成であり、今後どのように進んでいくか自分自身を問うという意味でも、今回、無伴奏のプログラムにさせていただきました。私にとって技術的にも、音楽的にも挑戦的なもので、これからのチェロという楽器の可能性、おもしろさ、これから進む道しるべみたいなものを自分なりに示せたらなと思っています。

 コロナ禍で、自分を見つめ直すということができました。演奏活動そのものもできなかったし、できたとしてもオンラインや無観客で、私どもとしてもいろんな試練を得ました。その中で色々考えて、自分がここまで進んできた道、これからは自分はこういうことをやっていけるんじゃないかというような気持ちをプログラムにも込めました。

 バッハはチェリストにとってある意味で「聖書」って言われるぐらい大事なものです。

 リサイタルで演奏する「チェロ組曲第4番」は1963年のカザルス国際コンクールで優勝したときの課題曲でした。

 何十年も経ち、バッハの意義、バッハがこういうものを書いた、バッハがこういうことをチェロに託したんではないかと、私なりにそしゃくして、表現して、世の中に問いかけようとしています。

 この4番はチェリストにとっ…

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