ホンダ、「レベル4」の自動運転車を開発へ 実証実験を月内開始
ホンダが自動運転車両の開発に力を入れている。市販車では、自動運転技術で「レベル3」の車を世界初で売り出したが、2020年代半ばの開始をめざすライドシェア(相乗り)サービス向けに、さらに一段上の「レベル4」の車両開発に乗り出している。
ホンダは8日、9月中に相乗りサービス向けに活用する自動運転の実証実験を始める、と発表した。まずは、自動運転に必要な高精度な地図をつくるための車両を一般道で走らせ、来年からは自動運転の車両を使った実験を始める計画という。
実験は、ホンダの研究所のある栃木県芳賀町と宇都宮市で実施する。カメラやセンサーを搭載した車両が道路の標識や信号機といったデータを集めて、地図をつくる。その後、自動運転車を共同開発している米ゼネラル・モーターズ(GM)などが米国の実験で利用した車両を用いて公道を走行し、国内の道路環境に合わせた技術開発を進めるという。実験は今後、ほかの都市部にも広げる予定。
ホンダはGMと、同社傘下で自動運転を手がけるGMクルーズホールディングスの3社で自動運転車「クルーズ・オリジン」を共同開発中だ。市販車では今春、高速道路の渋滞時などに、テレビやスマホを見ながら走行できる機能のある高級セダン「レジェンド」を売り出した。今回の車両は、運転の操作すべてをシステムが担い、5段階ある自動運転技術の「レベル4」にあたる。
共同開発する車両は4~6人乗りで、駅などから相乗りでそれぞれの目的地を回る利用などを想定している。具体的なサービス内容は今後公表するとしているが、ホンダモビリティソリューションズの高見聡社長は「それぞれの地域にある、移動の困りごとを解決する役割を果たしていきたい」と強調した。(神山純一)
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