愛着あれど「負の遺産」では困る スポーツ施設の未来、どうすべき?

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聞き手・笠井正基 聞き手・富田洸平 聞き手・中島鉄郎
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 観客を感動させるドラマが生まれることもあれば、「負の遺産」と批判されることもある。五輪・パラリンピックが終わったいま、そんなスポーツ施設の未来について考えてみました。

観客目線優先、稼働率いかに高められるか 高田旭人さん(ジャパネットホールディングス代表取締役社長兼CEO)

 長崎市の中心部に約2万席のサッカー専用スタジアムや約5千席のアリーナ、商業施設、ホテルなどを併設する「長崎スタジアムシティプロジェクト」を進めています。投資総額は700億円を予定しており、土地の取得から施設運営まで、自前でまかなう計画です。

 人口減少が進む地域でもスタジアムを中心にビジネスと感動を両立できる仕組みを自前でつくり、ジャパネットホールディングスの創業の地・長崎の地域創生にもつなげたいと考えているからです。また、スポーツを楽しめる場所をつくることによって、より感動を生み出すことができると思っています。

 そもそも、自治体と民間のスポーツ施設では役割が違うのではないかと考えています。自治体は公平性を重視して、あらゆる競技者に配慮しないといけません。例えば、スタジアムもサッカー専用ではなく、陸上トラックも設ける。一般市民の方が使いやすいよう使用料を安くするため、公金を運営費にあてているのが一般的だと思います。

 一方、私たちは観客目線を優先します。ニーズの異なる観客一人ひとりが満足でき、また来たいと思ってもらえるか。VIPルームでゆったりしながら、おいしい食事がついている1人2万円の席や、ゴール裏で試合を見られればいいという方には座席の価格を安くするなどして、そのバランスをとりながら収益を上げる方法を模索しています。

 プロスポーツは近年、ビジネスとして成功させる意識が高まっています。欧米で先行し日本も追いついてきました。その流れの一つが稼げるスタジアムへの改革です。観客が試合を見るだけでなく、周辺施設を周遊して、お金を落としてもらう。プロ野球で球団と球場が一体となって運営する「ボールパーク化」が好例です。

記事後半では、「市民が施設にプライドを持てることが重要」と訴える日本ウェルネススポーツ大学教授の橋本純一さんと、「スポーツの記憶は人々のかけがえのない文化的財産」と主張するフリーアナウンサーの松本秀夫さんが登場します。

 建設が相次ぐスポーツ施設の…

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