賞金3億3千万円 望月拓郎さんと香取秀俊さんが米ブレークスルー賞

石倉徹也
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 米グーグルの創業者らが出資して世界最高峰の賞金300万ドル(3億3千万円)を誇る「ブレークスルー賞」が9日発表され、数学部門に京都大の望月拓郎教授(49)が、基礎物理学部門に東京大の香取秀俊教授(56)が選ばれた。数学で日本人が受賞するのは初めて。

 ブレークスルー賞は2012年創設。米財団が主催し、「科学界のアカデミー賞」とも言われる。

 望月さんは、答えはおろか、性質を調べることすら難しい微分方程式の解に迫る理論を、代数、幾何、解析の3分野を行き来して生み出し、「半世紀は解けない」と言われた難問「柏原予想」を15年で解決して「この分野に完全な基盤を作った」と評価された。昨年度には朝日賞も受賞。「興味の赴くままに取り組むマイナーな数学者ですが、今後もその心を忘れずに研究を続けたい」とコメントした。

 所属する京大数理解析研究所には、超難問のABC予想を証明したとする望月新一教授もおり、「ダブル望月」で知られていた。

 香取さんは、300億年で1秒しかずれない極めて正確な光格子時計を開発した。従来の原子時計をはるかに超え、1秒の定義に採用される可能性もある。重力が大きいほど時間の進み方が遅くなるという相対性理論の効果を利用して、十数メートルの高低差まで検出できる。地下資源の探査や地殻変動の観測への応用も期待されている。

 香取さんは「20年前に純粋な好奇心から始まった研究が、物理の研究だけでなく、未来の道具になりつつあることがうれしい」とした。米国の研究者とともに受賞した。

 また、新型コロナウイルスのワクチンに欠かせない技術を開発し、ノーベル賞の有力候補でもあるハンガリー出身のカタリン・カリコ氏も生命科学部門で受賞が決まった。同賞はこれまで、ノーベル賞を受けた山中伸弥氏や大隅良典氏、梶田隆章氏らが受賞している。石倉徹也