「念のため」だった出生前検査 苦悩を経て気になったサポートの現状

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安仁周
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 胎児の染色体疾患などが推定できる「出生前検査」では、妊婦の血液を採取するだけで調べられる検査があります。昨年、第2子を出産した記者(36)は「念のために」と検査を受け、想像を超える悩みに直面しました。実感したのは、検査を受ける際のサポート体制の大切さでした。

 受けたのは「母体血清マーカー検査」で、ダウン症候群、18トリソミーや神経管閉鎖障害の可能性がわかる。費用は約2万5千円。妊婦健診で通う産院に案内が貼ってあり、申し込んだ。

 当時は妊娠4カ月で、少しずつおなかが出てきたころ。2週間後に聞いた結果は、ダウン症についてのみ「陽性」だった。

 胎児がダウン症である確率は、基準値(295分の1)を上回る「189分の1」とあった。パーセンテージで表せば約0・5%だが、どう判断すればよいかわからなかった。

 可能性だけを示す非確定的検査のため、確定診断を得るためには羊水検査が必要だ。

 医師は少し困った表情で、「(中絶ができる)22週が近いから早めに決めてね」。心の準備ができておらず、何も考えられなかった。

 おなかや子宮に針を刺す羊水検査は約15万円と高額な上、紹介された病院は1晩の入院が必要。まだ1歳だった長女のことが気がかりだった。また、約300人に1人の割合で流産する可能性があると示された。

 何よりも、もし羊水検査で確定した場合、どうするのか。「命の選別」という言葉が頭を回った。

 さらに困ったのは、相談先だった。

 担当の産科医は話を聞いてはくれたが、「最終的にはあなたが決めること」。困り果てて相談した自治体の保健師に教えてもらい、ある総合病院の「遺伝カウンセリング」にたどりついた。

 専門医は丁寧な説明をしてくれた。基準値と私の数字が割と近いこと、そして「新生児の先天性疾患は、全出生数の約5%」という数字を聞いて考えが固まった。生まれてくる子が、出生前検査ではわからない他の病気を持っている可能性はある。

 夫とも何度も相談し、最終的には羊水検査を受けなかった。ダウン症の子たちと交流があった義母から「その時はみんなで育てましょう」と言葉をかけられたことにも勇気づけられた。

 カウンセリングによって自分の考えを整理できたが、もっとアクセスしやすい相談先はないだろうか。自治体やNPOにも尋ねてみたが、今のところはほぼないようだ。現状を専門家に聞いてみた。

 横浜市立大病院遺伝子診療科…

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