「ここが始まり」「一緒にパリに」 新しい地図、IPC会長と対談

構成・野村周平
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 国際パラリンピック委員会(IPC)特別親善大使を務める「新しい地図」の稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さん、IPCのアンドリュー・パーソンズ会長が、東京パラリンピックで印象に残った場面などを語り合った。4人は大会後もパラアスリートを支え、連携を深めていくことを約束した。

 東京大会でメダルプレゼンターを担った新しい地図。稲垣さんは競泳の山口尚秀、香取さんは陸上の佐藤友祈、草彅さんはボッチャの杉村英孝に金メダルを渡した。「幸運でしたね」と笑うパーソンズ会長に、3人が思い出を明かした。

 草彅「(ボッチャ決勝は)勝てば金、負けても銀という試合だったけど、吾郎さんも慎吾も(すでに)金メダルを渡していたので『やっぱり僕も』と思っていた。相手選手がかわいそうでした。僕が相当の念を送ったので(笑)」

 稲垣「山口選手の金メダルと世界新を見て、選手たちが体から発散するエネルギー、命をかけて競技にかける思いが伝わった。あと(表彰台で)外国の選手がお辞儀してくれたのが可愛らしかった。日本のスタイルに合わせてくれた」

 香取「国立競技場では五輪で日本選手の金メダルがなかった。だから、佐藤選手の金メダルで初めて国立に日本国旗が上がって国歌が流れた。五輪から運営していたスタッフの皆さんも感動していた」

 パーソンズ「それは素晴らしい瞬間ですね。私は大会中の選手村で(政権崩壊した)アフガニスタンの2選手を迎えた時が忘れられない。みんながホッとしていた。スポーツを通じて2人の命を救えた」

 IPCが3人を特別親善大使に任命したのは2018年だった。

 パーソンズ「慎吾と平昌大会で会って、選手やスポーツとのつながりを深めようとしてくれる姿を素晴らしいと思った。3人はパラをPRし、寄付もしてくれた。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。すべての国に剛、吾郎、慎吾(のような存在)がいてほしい。3人には、他の国のアーティストにもインスピレーションを与えてほしい」

 香取「僕はパラを知って明日へのパワーをもらえた。だから一人でも多くに知ってほしかった。大会中にSNSで競技を紹介したら、ものすごく広がってコメントももらった。素晴らしいと思いました」

 4人の会話は、今後の展開にも広がっていった。

 稲垣「水泳の応援にいった時、選手が練習する環境がまだ足りていないという話を聞いた。大会を通して気付く課題も多いはず。よりよい環境で皆さんがスポーツできるようになればいいと思う」

 香取「NFT(非代替性トークン)を使って、僕がパラサポに描いた壁画をデジタル上で皆さんに買って頂くチャリティーキャンペーンをします。収入はすべて日本財団パラリンピックサポートセンターを通じて、パラスポーツ支援に活用される。大会が終わってもここからが始まりです」

 草彅「パラを通して、誰に対しても優しい世の中になってほしい。パラアスリートの魅力にもっとたくさんの方が気付いてもらうために僕らは頑張る。他人の心の壁を取り除くのは難しいけど、まず自分の壁をなくすところから。時間はかかるけど、楽しみながら広めていきたい」

 パーソンズ「この場を借りて皆さんにお願いしたい。2024年、一緒にパリに行きましょう。日本チームだけでなく世界の選手たちを応援してほしい」

 新しい地図「ぜひ。実はぼくら3人で最後に海外に行ったのはパリでした。僕らもアスリートと同じように頑張って、世界に影響を及ぼすことができる新しい地図でいたい」

 新しい旅路の始まりを感じさせる対談となった。(構成・野村周平)