「やや支持」層こそ影響されやすい 選挙フェイクニュースにご用心

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山口真一のメディア私評

 衆院選が近い。選挙は民意が問われる機会であり、また、我々にとっては意思を示す機会でもある。

 投票にあたっては情報の収集が欠かせない。どの政党・政治家が、どのようなことを言っているのか。また、何をしてきたのか。それは社会や自分にとってどのような影響があるのか。

 インターネットが普及し、このような情報の収集は極めて簡単になった。だが、便利なテクノロジーが登場すれば必ずそのデメリットも顕在化する。そう、選挙のたびに「フェイクニュース」(偽情報)が生まれ、広範囲に拡散されるようになったのである。

山口真一(やまぐち・しんいち)さんは1986年生まれ。国際大学GLOCOM准教授(計量経済学)で、近著に「正義を振りかざす『極端な人』の正体」があります。

 例えば、2016年の米大統領選では、「ワシントンのピザ店が児童買春組織の拠点となっており、ヒラリー・クリントン候補とその選挙対策責任者が関わっている」とのフェイクニュースが広まった。その結果、この情報を信じた人が当該ピザ店で発砲事件を起こすに至っている(ピザゲート事件)。研究によると、投票前の3カ月間で、当選したドナルド・トランプ氏に有利なフェイクニュースは約3千万回、クリントン氏に有利なフェイクニュースは約760万回、フェイスブック上で拡散された。

 世界ではそのほかにも、英国の欧州連合(EU)離脱に関する国民投票や仏大統領選挙など、投票・選挙のたびにフェイクニュースの拡散が確認されている。昨年の米大統領選でも、選挙に不正があったという真偽不明の情報や、「政財界とマスコミに巣くう悪のエリートたちに対して、トランプ氏が秘密の戦争を仕掛けている」といった陰謀論(Qアノン)が飛び交った。

 さて、こうしたフェイクニュースの横行は、欧米での出来事だと思っていてよいのだろうか。

 筆者は日本国内で流された実…

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