菅首相、日米豪印首脳会談出席で調整 退陣直前の訪米に批判も

相原亮、ワシントン=園田耕司
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 菅義偉首相は今月下旬に米国を訪問し、日米豪印4カ国(QUAD=クアッド)の首脳会談に参加する方向で調整に入った。政府関係者は主催する米側から出席を求められているとしているが、退陣間際の異例の外遊に批判も出ている。

 バイデン米政権は同盟国・友好国との連携を軸にした対中戦略を展開しており、クアッドもその枠組みの一つ。日本も「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を実現するために重視している。初めての首脳協議は3月にオンラインで開かれ、年内に対面で行う方針を確認していた。訪米が実現すれば、二国間会談も行われる見通しだという。

 加藤勝信官房長官は9日の記者会見で「具体的な日程は決まっていない」としつつ、出席者は「主催者の米国が判断すること」と述べた。

 首相は29日投開票の自民党総裁選への立候補を断念し、総裁交代に合わせ、首相を退く予定だ。官邸幹部は「退陣を決めてからも米側から『来てほしい』との強い要望がある」と説明。「先のことを決めても実行するかどうかは次の政権が決めることだが、『引き継ぐべく伝える』といったやりとりはできる」と語る。

 ただ、日本政府内からも中身のある交渉ができるのかとの疑問の声が上がり、野党も批判している。国民民主党玉木雄一郎代表は9日の会見で「『コロナ(対策)に専念する』と言って退陣を表明した首相が、米国との間で新たな取り組み、約束をできるとは思えない。どれだけ意味があるのか、にわかに想像できない」と指摘した。(相原亮、ワシントン=園田耕司