酵素の力でふるふるに ショウガのミルクプリン

小林未来
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ショウガのミルクプリン=合田昌弘撮影

記事の後半で、作り方のポイントを動画でご覧いただけます

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ごはんラボ ショウガのミルクプリン

 スイーツシリーズの最終回は広東料理のデザートの一つ、ショウガのミルクプリンを紹介します。冷やしてもおいしいですが、現地ではほの温かい状態でいただきます。真っ白で軟らかな見た目ですが、ショウガの辛みがアクセントになります。

 材料欄を見て下さい。使う食材はショウガと牛乳と砂糖だけ。ショウガに含まれる酵素の力を利用して牛乳をふるふるにする不思議なデザートです。

 ポイントの一つは温度管理。ショウガの酵素がよく働く温度は60度前後で、70度を超えると働きが失われてしまうとされています。器に注ぐときに温度が少し下がることを考慮して、牛乳の加熱では70度になる直前で火を止めます。「温度計で正確に測って下さい」と料理監修の吉田勝彦シェフ。

 アレンジメニューは、できあがったミルクプリンにベーコンやアサリをのせていただきます。クリームシチューのような味わいで、目先の変わったおかずになります。小林未来

ショウガのミルクプリン

材料(1人前)と道具 料理監修:吉田勝彦さん(中国家庭料理「ジーテン」)

□ ショウガ 30g

□ 牛乳 200ml

□ 砂糖 小さじ2

□ 温度計

【作り方】

①ショウガをおろし、キッチンペーパーに包んで搾る。大さじ1程度が目安だが、ショウガが含む水分量によって、搾り取れる量も異なるので、少なければ多めにショウガをおろす。

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ペーパーに入れて搾ると繊維や皮を取り除ける。時間がたつと搾り汁にでんぷんが沈殿するので混ぜて使う=合田昌弘撮影

②小鍋に牛乳を入れ、砂糖を混ぜる。弱火にかけ、温度計で温度を測りながら温める。この後に混ぜ合わせるショウガ汁の酵素の働きを損なわないよう、70度になる直前で火を止める。

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今回、牛乳(約18度)は1分40秒ほどで69度に。上がり始めると早いので温度計を見ながら弱火で加熱する=合田昌弘撮影

③器にショウガの搾り汁を入れ、そこに温めた牛乳を一気に注ぐ。牛乳の温度が下がって、ショウガの酵素がよく働く温度に近づく。そのまま4~5分放置する。

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温まった牛乳をドバーッと注ぐ。その後は酵素が反応して固まるのを静かに待ち、かき混ぜないようにする=合田昌弘撮影
ショウガのミルクプリン 作り方のポイント=合田昌弘撮影

*1人前約165kcal、塩分0.2g(栄養計算:女子栄養大学栄養クリニック)

アレンジ ショウガのおかずプリン

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ショウガのおかずプリン=合田昌弘撮影

(1人前)ベーコン15gを幅1cmに切る。タマネギ1/8個は薄切りにする。フライパンに油小さじ1を入れて弱火にかけ、ベーコン、タマネギ、ボイルアサリのむき身15gを入れて炒める。塩・コショウ各少々を加え、ベーコンに焦げ目がついたら火を止め、ショウガのミルクプリンにのせる。混ぜながら食べる。

Cookery Sciense

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ショウガ酵素の働き

 牛乳のたんぱく質は温めただけでは変化しにくいが、ショウガ汁を加えるとショウガに含まれる酵素の働きで一部が分解される。それによってたんぱく質が固まりやすい構造になる。肉は加熱前にショウガ汁につけておくとたんぱく質が分解され、焼いても固くなりにくい。(調理科学監修:香西みどり・お茶の水女子大学名誉教授)

Topic 固まらないときは…

 今回は、ゼラチンや寒天を使わずに、ショウガ汁の酵素の反応を利用するレシピです。そのため「うまく固まらなかった」という失敗もあるかもしれません。

 調理科学監修の香西みどり・お茶の水女子大学名誉教授は「食品は個体差が大きく、また産地や部位によっても含まれる酵素の量や活性(働き)がばらつきます。失敗したらショウガの量を増やしてみたり、違うショウガを使ってみたりしてはどうでしょうか」と話します。

 材料や量を変えて試行錯誤するのも、「ごはんラボ」の楽しみ方。失敗しても、ショウガミルクとしておいしくいただけます。

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