動画削除、脱税摘発も 「特権階級」の中国芸能界、締め付け強まる

有料会員記事

北京=冨名腰隆
[PR]

 中国で芸能人や関連事務所に対する取り締まりが相次いでいる。俳優の高額な出演料や反道徳的な作品が社会を乱すとして、共産党指導部が文化統制を強めた形だ。習近平(シーチンピン)国家主席が旗を振る「共同富裕」を進める標的にされたとの見方もあるが、「保守」への傾斜と懸念する声も出ている。

 取り締まりは8月下旬から強まり、日本でも公開された映画「レッドクリフ」などに出演した俳優・趙薇さんの作品が動画配信サービスから一斉に削除された。理由は明らかにされていない。ほかにも脱税が指摘された俳優や芸能事務所経営者の摘発が相次いだ。中国メディアによると、8月末までに取り消された事務所は660に上る。

 党宣伝部は2日、「文化娯楽の総合管理業務に関する通知」を公表。ドラマ1シーズンで1億元(約17億円)とも言われるトップ俳優の高額な出演料、ランキング方式で競争をあおるファンサイトの低俗化、未成年者のバラエティー番組への出演、事務所の脱税などが社会に悪影響を与えているとし、改善とともに社会主義価値観の堅持を求めた。腐敗を取り締まる党規律検査委員会も「芸能界の資本拡大が中国の特色ある社会主義の発展を阻害することは、あってはならない」とする文書を発表した。

 習氏は8月の党の重要会議で、社会全体を豊かにする「共同富裕」へ注力することを宣言し、公平な富の分配のために税制や寄付制度を整えていく方針も示した。特権階級や成功者といったイメージが強く、社会への影響力も大きい芸能界は、共同富裕の理念と相いれない。

 こうした富裕層への引き締め…

この記事は有料会員記事です。残り349文字有料会員になると続きをお読みいただけます。