多年草フトイで作ったイスの展示会 浜松

長谷川智
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 【静岡】多年草のフトイで作った民芸家具の企画展が、浜松市中区佐藤の丸東工芸舎で開かれている。フトイはかつて浜松が一大産地で、昭和30年代は300軒以上の農家が栽培していたが、今は1軒だけという。数万円から数十万円するイスが展示販売され、パネルと動画で歴史を説明している。

 フトイはイグサに似た植物で、馬込川の堤防強化のために植えられ、ムシロの材料などに多く使われた。浜松の苗を松本民芸家具(長野県松本市)と連携して松本市に5年前に植え、栽培してきた。

 家具職人が水に浸して柔らかくしたフトイを手作業で編み、座る部分に使って欧州発祥の木製イス「ラッシチェア」に仕上げた。自然の風合いや弾力性、耐久性が特徴で、時間がたつと色合いも変化する。

 イスの価格は普及品で10万円前後で、88万円の4人掛けもある。柳宗悦らが始めた民芸運動の草創期に浜松は拠点となった。店では「浜松と民芸との歴史、フトイという素材の魅力を多くの人に知って欲しい」という。12日まで。(長谷川智)