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京都の緊急事態宣言は月末まで延長、措置継続に 大学で進む職域接種

新型コロナウイルス

高井里佳子 永井啓子
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 新型コロナウイルス対応で京都府に出ている4度目の緊急事態宣言は9日、今月末までの延長が決まった。新規感染者数は減少傾向にあるが、医療態勢の厳しさは続いている。

 宣言は8月20日に出て、今月12日までの予定だった。延長後の具体的措置は9日の対策本部会議で決まり、飲食店などには引き続き、酒類提供禁止や午後8時閉店を要請する。イベントや関連施設は、収容率50%以内で上限5千人、午後9時までとする要請を継続する。

 今後は、宣言解除の指標として、重症者と中等症者の数が継続して減っていることや、自宅療養者と療養調整中の人の数が減っていることなどが加わった。

 府内の8日時点の療養者4440人のうち、人工呼吸器やECMO(エクモ、体外式膜型人工肺)が必要な重症者は23人、自宅療養者は3554人に上る。確保病床の使用率は70・7%、重症者用病床の使用率は58・6%と高水準が続く。

 西脇隆俊知事は9日夕の記者会見で「一定減少の局面に入っていると思うが、感染者の絶対数は多く、医療現場のひっぱくも続いている。宣言を解除する状況にはない」と訴えた。

 会議では、議長の松井道宣(みちのり)・府医師会長が「30~50代で重症化が目立つ。重症者に対する医療態勢が破綻(はたん)しないよう、感染者を抑えることが最も大切」と指摘した。「ワクチン接種をしたことで、感染してても症状や自覚のない人がたくさんいる。いっそう注意が必要な状況だ」とも述べた。

 政府の対策本部会議が11月ごろをめどに、宣言やまん延防止等重点措置の対象地域で行動制限の緩和を目指すことを決めたことについて、西脇知事は「この状況になればこういう日常生活に近づくというメッセージは、個別の都道府県ではなかなか出しにくい」と一定評価。ただ、「ワクチン接種をした人としてない人とで差別があってはいけず、ブレークスルー感染も含め、どういう影響があるかを総合的に慎重に判断すべきだ」と述べた。

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 京都府は9日、ワクチンの大規模接種の対象を従来の40代以上から、16歳以上に広げると発表した。大学の受験生が安心して試験に臨めるよう、専用コールセンターでの優先予約も始める。

 また、京都市内2カ所と府南部1カ所に新たな接種会場を設け、10月上旬から土日に1日計1千~1500人に接種する。いまの京都駅前の会場(日本生命京都三哲ビル)でも11月末ごろまで平日に1日約200人に接種していく。

 府内の接種状況を年代別(10~60代以上)に見ると、7日時点で2回目を終えたのは60代以上が82・47%を占めるのに対し、10代は6・83%にとどまる。20代21・12%▽30代21・21%▽40代26・42%▽50代39・70%と、年代とともに接種率も上がる。

 西脇隆俊知事は「感染者の年代別分布をみてもワクチンの効果は当然(ある)と思っている。若い年代で接種率が低く、会場の延長や追加をした」と述べた。(高井里佳子)

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 京都府京都市は9日、新型コロナウイルスに新たに270人(府72人、市198人)が感染したと発表した。累計感染者数は再陽性を含めて延べ3万3534人になった。

 府が8月30日~9月5日に判明した感染者2916人中1067人を調べたところ、72・4%にあたる773人が「L452R」変異のあるウイルスに感染していたことも分かった。累計4291人で、うち537人がデルタ株だった。

 また、8日発表の感染者381人のうち、これまでに生徒4人の陽性を確認している京都市立養徳小学校で新たに生徒7人の感染が判明し、計11人となった。同市の障害者福祉施設でも職員2人と利用者5人の感染が分かり、計14人になった。市はいずれも新たなクラスター(感染者集団)と見ている。

 既知のクラスターでは、これまでに利用者ら7人の感染が分かっている同市の高齢者福祉施設で新たに職員2人の感染が判明した。

 8日発表の381人の居住地は、京都市288人▽宇治市27人▽向日市10人▽亀岡市京田辺市城陽市各7人▽南丹市精華町各5人▽木津川市京丹後市八幡市各3人▽福知山市舞鶴市、井手町、宇治田原町各2人▽綾部市長岡京市1人▽府外6人。

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 京都府内の大学で新型コロナウイルスワクチンの職域接種が加速している。感染した学生を支える独自の取り組みも始まっている。

 京都女子大では7日に接種が始まった。10日までの4日間に、近隣の住民やホテル従業員を含む約2200人が1回目を打つ。

 当初は7月下旬に始める予定だったが、企業などから国への職域接種申請が殺到して待たされた。ひとまず、職域接種で先行していた京都橘大に受け入れてもらい、学生約650人と教職員約160人は接種済み。国からワクチン供給の連絡が来たのは、お盆明けという。

 8日に接種を受けた発達教育学部の3年生(21)は「幼稚園や保育園で実習があるので、これで安心。地元で打った友人もいるが、私の場合は(自治体の接種より)大学の方が早かった」。同学部の4年生(22)は「接種が進み、感染が収束して、学生最後の旅行ができたら」と話した。

 約3万人の学生や教職員がいる京都大は、7月から職域接種を開始。同月中旬からは、職域接種の条件を満たさない在籍数1千人未満の大学などにも門戸を開き、今月5日までに府内13大学・短大の約3千人が京大病院で2回目の接種を終えた。受け入れにあたっては、府や京都市、48大学・短大などでつくる公益財団法人「大学コンソーシアム京都」が橋渡し。さらに京大は、京都市民9千人の接種も18日から始める。

 一方、感染した学生の支援を始めたのは立命館大。保護者らで作る「父母教育後援会」が8月17日から、感染や濃厚接触で自宅療養・待機となった一人暮らしの学生に食料品を無料で届けている。学生の約半数が近畿圏外の出身。感染時の食事を心配する声が寄せられたのが、きっかけだ。

 開始から今月5日までに衣笠キャンパス(北区)で23人、大阪いばらきキャンパス(大阪府)で4人が受け取った。この期間に感染した学生は、びわこ・くさつ(滋賀県)を含む3キャンパスで68人(一人暮らしでない学生を含む)いた。

 食料品は2週間分で、2回に分けて届ける。まずは「発熱初期版」として、おかゆなど消化の良いものを、1週間後に「回復期版」として、パスタや親子丼、牛丼を詰め合わせた。水や麦茶、おかず、フルーツ缶詰も入っている。

 濃厚接触者となり、8月下旬に受け取った男子学生(21)は「一時は発熱があり、買い置きもなかったので、とても助かった」と話した。(永井啓子)

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