「ロックダウン」は現実的か それだけで解決する強制力という幻想

有料会員記事新型コロナウイルス

聞き手 シニアエディター・尾沢智史、高久潤
写真・図版
イラスト・甲斐規裕
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 新型コロナウイルスのデルタ株の広がりで医療体制が危機的状況となり、「ロックダウン都市封鎖)的なやり方が必要」「法整備の検討を」という声が、自治体の首長や専門家、国会議員から出ている。導入は現実的なのか。どんなやり方をすべきか。法制化の課題は何か。(聞き手 シニアエディター・尾沢智史、高久潤

岩手県知事達増拓也さん「命救えないなら最大限の行動制限を」

 ――記者会見などで、「東京にはロックダウン的なやり方が必要」と発言されていますね。

 「感染対策では、人と人との接触を減らすのが最も効果的です。その最大の手段がロックダウンです。現在の東京のように、感染者が自宅療養を強いられ、救える命も救えない状況では、ロックダウン的なやり方がいいのではないかと思います」

 ――岩手県でもロックダウンする必要は感じますか。

 「岩手県では、コロナ禍でも医療体制が逼迫(ひっぱく)したことはありません。治療が必要な感染者は入院、そこまでいかない人は療養施設に入ってもらっており、自宅療養はありません」

 「ただ、第5波で感染者が増えています。10万人あたりの直近1週間の新規感染者数が15人を超えた8月12日には、『岩手緊急事態宣言』という県独自の宣言を出し、不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。25人を超えたところで、盛岡市内の飲食店に20時以降の営業を控えるよう要請しました」

 ――ロックダウンにもいろいろなやり方がありますが、何が一番効果的でしょうか。

 「基本は『不要不急の外出自粛の要請』です。県境を越えた移動の自粛も当然含まれます。より強い人流抑制を呼びかけ、その必要性を納得してもらうことが第一だと思います」

 ――他県ナンバーの車に高速料金を上乗せするロードプライシングはどうでしょうか。

 「岩手県の場合、東日本大震災からの復興事業のために他県ナンバーの車が入ってくるといった『不要不急ではない県境をまたぐ移動』がかなりあるんです。一律に規制するのは岩手の実情になじみません」

ロックダウンは法整備しなくてもできると言う達増氏。その理由は東日本大震災での経験にありました。記事後半では、立命館大学の美馬達哉教授が、行政が個人の自由を制約することへの懸念を語ります。

 ――ロックダウンには法改正が必要という意見もあります。

 「法改正よりも、ロックダウ…

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