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「病院というより避難所」 大阪の臨時医療施設、監督監修の忽那医師

新型コロナウイルス

本多由佳、久保田侑暉
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 大阪大大学院の忽那賢志(くつなさとし)教授(感染制御学)が朝日新聞のインタビューに応じ、大阪府が設置する新型コロナウイルス対応の臨時医療施設について「病院というより、宿泊療養施設に入れない人たちが出た場合の避難所に近い」との認識を示した。新たな変異株への対策として、入国後の14日間待機に強制力を持たせるなど検疫強化を政府に求めた。

 府は特別措置法に基づき、大阪市住之江区国際展示場「インテックス大阪」に1千床規模の臨時の医療施設を整備する方針で、9月中にも軽症・無症状患者向け500床の運用を始める予定だ。忽那氏は医療スタッフの体制や、感染者と非感染者の区域を分ける「ゾーニング」、医療機器の配備などについて監督監修する。

 臨時医療施設の意義について「医療者の目が届かない自宅療養中の急な重症化や家庭内感染を避けることだ」と説明。入院対象外の患者は宿泊療養施設への入所が望ましいとし、「宿泊療養施設の方が医療者の目が届く。宿泊療養施設にも入所できない人たちの受け皿が臨時医療施設だ」と語った。

 今後整備される中等症患者向け200床については、「治療をするというより、酸素投与や点滴などで入院までのつなぎとなる」と説明した。

 検疫強化の必要性も訴えた。「第5波」の一因に、感染力の強い変異株「デルタ株」の広がりが挙げられる。「変異株の侵入阻止には限界があるが、感染拡大を1カ月遅らせることができれば、その間にワクチン接種が進み、重症者を抑えられた可能性がある」と指摘する。

 日本への入国時検査で陰性になった場合、2週間の待機期間は外出や人との接触を避けるルールはあるが、あくまで「要請」だ。忽那氏はルールを守らない実例も報告されているとし、「より感染力の強い変異株が出た場合、デルタ株と同様に日本国内で一気に広がってしまう。14日間の待機要請ではなく、強制的に施設に入ってもらうなど対策を強化するべきだ」と訴えた。(本多由佳、久保田侑暉)

忽那賢志さんプロフィール

 くつな・さとし 国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長を経て、今年7月から大阪大大学院医学系研究科教授。専門は新興再興感染症や海外渡航後の感染症など。2004年、山口大医学部卒業。

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