台風の目に航空機から水や氷 弱体化させ災害ゼロに、発電構想も

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竹野内崇宏
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 地球温暖化でますます凶暴になっている台風をコントロールし、勢力を弱くしたり、被害をゼロにしたりできないか。2050年の実現を目標に、そんな壮大な挑戦が始まっている。台風が持つエネルギーは、全世界の消費電力の1カ月分とも言われ、発電に生かそうという構想もある。

 計画の名前は「タイフーンショット」。月探査のように、実現は困難だが成果が極めて大きい挑戦を表す「ムーンショット」にあやかり昨年、大学やメーカーなどが立ち上げた。

 日本近海の北太平洋西部は海水温が高いため、世界的に見ても熱帯低気圧の発生数が多く、勢力も強い。台風と思われる被害の記録が日本書紀に残るなど、古くから日本を悩まし続けてきたが、温暖化による海水温の上昇で、ますます勢力が強くなると想定されている。

 既に影響が出ているとの報告もある。福島県など東日本を中心に100人以上が犠牲になった2019年の台風19号では、気象庁気象研究所などの解析によると、ここ40年の気温と海水温の上昇がなかった場合に比べて、関東甲信地方の雨量が約1割増えていた。

 日本損害保険協会によると、19号による保険金支払い額は計約5800億円。関西空港の連絡橋にタンカーがぶつかるなど近畿を中心に強風や高潮の被害が出た18年の台風21号は1兆700億円に上った。

 チーム代表の筆保弘徳(ふでやすひろのり)・横浜国立大教授(気象学)は「日本は台風にやられっぱなしだったが、新しい技術や研究を結集すれば、台風の勢力を抑え、エネルギーを資源に変えることも夢ではない」と意気込む。

「台風調節」、法律にも

 台風の制御は古くから試みられてきた。

 米国は1970年ごろまで…

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