希望退職断り、不慣れな仕事に 「動かなければ」と裁判

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内藤尚志
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現場へ! リストラに負けない⑤

 テレワーク中の自宅の一室で、会社から配られたノートパソコンを操作しながら、IT技術者の小里正義さん(52)は感慨にふけっていた。朝から1人で部屋にこもって働く生活に慣れず、ストレスは小さくない。それでも「好きなことで会社の役に立てている」と実感できるのが、うれしかった。

 大学生のころに親戚からもらったパソコンに夢中になった。1992年に東芝に入社すると、主に社内システムの整備を任された。

 グループ再編で2017年に子会社に移っても、ほぼ同じ仕事を担当した。自分の知識や経験を生かして会社に貢献し続けたい。そう思って働いていたが、「まさか裁判になるとは……」。

 30年近いIT技術者のキャリアが断たれたのは、19年の春だった。当時の東芝は原発事業の失敗による経営難が尾を引き、リストラを加速していた。

 小里さんは上司に促された希望退職を断ると、新設の業務センターに異動になった。仕事は忙しい他部署への「応援」。倉庫で製品の箱詰めをしたり、工場で事務室を消毒したりした。パソコンは配られず、ITに触れる仕事は与えられなかった。

 なぜ、わざわざ不慣れな仕事…

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