土石流に襲われ、残った大量の石 市長も「どこから出たのか…」

依光隆明
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 長野県茅野市西部の高部地区を5日夜に襲った土石流について、市が9日夜、記者会見して被害状況を報告した。地区内の人家が受けた被害は全壊が3棟、床上浸水が4棟、床下浸水が27棟。地区の一部は今も直径数十センチの石と土砂で埋まっており、今井敦市長は「人的被害がなかったのは不幸中の幸い」と話した。

 地区を貫流する下馬沢川に土石流が流入、護岸や河床の石をはぎ取りながら扇状地に当たる地区中心部を襲ったとみられている。市によると、6日午前10時までの24時間に同地区上流に降った雨量は135・5ミリに達したうえ、その大半が5日午後4時~6日午前0時に集中していた。特に、5日午後8~9時は35ミリの激しい雨となった。

 土石流の流入により、地区上流域の下馬沢川があった場所は無数の大きな石と土砂で埋まってしまい、並行する生活道が新たな「川」に。このため、下馬沢川や道路に沿った家々の中には、半ば土と石に埋まってしまった建物もある。これらの石は、護岸や河床から出ただけでは説明がつきづらいほどの量で、今井市長は「あれほどの石がどこから出たのか、われわれも知りたい」。

 市によると、同地区には123世帯があり、住民数は292人。幸いだったのは、夜間の土石流発生にもかかわらず1人のけが人も出なかったこと。今井市長は「いろんな要素が幸いした。市と区長が頻繁に連絡を取ったし、避難の声かけを一生懸命してくれた人もいた。警察、消防もよくやってくれた」と振り返った。(依光隆明)