「痴漢で110番」啓発ポスター 京都女子大生が制作

原田達矢
[PR]

 電車や駅での痴漢被害を減らそうと、京都女子大(京都市東山区)の学生が啓発ポスターを作った。府内各駅で活用される見通しで、府警が10日、学生らに感謝状を贈った。

 学生は、戦争や格差を学ぶ「平和研究」の授業をきっかけに集まった9人。性暴力被害などについて学び、より身近な痴漢被害に関心を持ったという。

 教員の呼びかけで、昨年12月から府警鉄道警察隊と意見を交わし、今春、制作を始めた。「被害者に行動を促すポスターが多いが、加害者や居合わせた人にも呼びかけが必要だ」という考えで進めた。

 ポスターは、電車で痴漢被害を見かけた男女が110番通報する様子を漫画形式で伝えている。被害者に配慮して具体的な痴漢行為は描かない代わり、「警察です。事件ですか? 事故ですか?」といった言葉を盛り込み、通報時の状況をイメージしやすくした。

 痴漢に遭った人にもヒアリング。家政学部の小島定菜さん(21)は、教員らから聞いた「痴漢が当たり前のもので声をあげられなかった」「薄着の私が悪いのかもと自分を責めた」といった証言に心を痛めたという。

 「被害で電車に乗れなくなった人もいる。それほどひどい犯罪なんだと改めて思った。ポスターをきっかけに、周りの人から被害者を助けてあげられる社会になってほしい」

 府警によると、電車や駅での痴漢や盗撮事件の検挙件数は1~7月に23件で、ほぼ例年通り。被害が増える9月いっぱいを撲滅キャンペーン期間として、鉄道各社などに今回のポスター約200枚を配布したという。高須真一・鉄道警察隊長は「認知件数は実際の被害の約1割とも言われている。痴漢かもしれないと思ったら、110番通報をお願いしたい。被害ゼロを目指していく」と話した。(原田達矢)