いじめに不誠実だった学校 「しにたい」書き残し、娘は妻と命絶った

近藤咲子
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 自殺(自死)について考える「全国自死遺族フォーラム」が10日、仙台市青葉区であった。県内外から約70人が参加。いじめやパワハラで家族を亡くした県内の自死遺族2人が登壇し、今も抱える悲しみを口にした。

 はじめに登壇した男性は2018年11月、仙台市泉区の自宅で妻(当時46)と小学2年の長女(当時8)を亡くした。その年の5月ごろから、長女がいじめを受けていると学校や市教委に相談していたという。

 男性は、加害者側との協議の場を求めていたにもかかわらず、「学校はさじを投げた」と当時の対応を批判。長女はその後、「しにたい」と親に書いたという。

 2人は無理心中とみられる。男性は時折声を詰まらせつつ、「もう2人は帰ってきません。せめてこのような悲しい出来事が繰り返されないことを切に願います」と訴えた。

 主催した全国自死遺族連絡会の代表理事、田中幸子さん(72)も、宮城県警の警察官だった長男(当時34)を05年に亡くした。「残念なことに、新しい自死遺族は毎日のように生まれている。少しでも遺族が元気になれるようつながり、支援を続けていきたい」と話した。

 フォーラムは10日の「世界自殺予防デー」にあわせて開催。基調講演した上智大の岡知史教授(当事者福祉論)は「人を亡くした悲しみは愛情の表れ」と話し、自死遺族の自助グループについて「悲しみを分かち合い、亡き人との向き合い方を考えるために必要な場所」と解説した。

 県は平日午前9時~午後4時、自死対策推進センター相談電話(0229・23・0028)などで相談を受け付けている。(近藤咲子)