社会人になって始めた私の英語交渉術 40代ボクサーを世界戦に推す

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聞き手・伊藤雅哉
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 プロボクシング界に、実践の積み重ねで磨いた英語力を駆使し、海外とのネットワークを広げているトレーナーがいます。大阪市にある渥美ボクシングジムの桂伸二トレーナー(49)です。日本ボクシングコミッション(JBC)が公認するタイトルを国内最年長で保持する野中悠樹選手(43)とコンビを組み、夢の世界タイトルマッチの実現を目指しています。野中選手はミドル級のアジア地域王者ですが、この階級の世界トップクラスは欧米にいます。桂さんは海外の関係者とメールやフェイスブックなどで交渉し、実際に何度も試合を組んできました。その秘訣(ひけつ)は何なのでしょうか。

かつら・しんじ 1971年、愛媛県松山市生まれ。松山工高2年でアマチュアボクシングを始める。高校卒業後、関西で就職。90年の全日本社会人選手権フェザー級で3位に。26歳の時にプロボクサーのライセンスを取得後、試合はせずにトレーナーに転身した。すぐに野中悠樹選手と出会い、現在まで20年以上コンビを組んでいる。昼は別の仕事を持ちながら、夜は渥美ボクシングジム(大阪市)でトレーナーをしている。

 ――どういうきっかけで英語を学び始めたのですか。

 「私は工業高校の出身で、学生時代に英語を専門に学んだことはありません。留学した経験もありません。高校を卒業してから就職し、21歳の頃に転職した会社で、必要に迫られて勉強しました」

 ――仕事で英語が必要になったわけですね。

 「そうなんです。その会社は、フランス製の産業機械を日本国内で販売・設置する商社で、私の仕事は、機械を日本全国に設置したり、メンテナンスをしたりすることでした。機械を納入した日本の企業から『調子が悪い』『機械が止まっている』などと苦情が来ると、製造元のフランスのメーカーに、『どういう対応をしたらいいか?』と英語でメールして聞くんです。フランスのメーカーでも、英語を使うんですよ。向こうは中学・高校の授業でしゃべれるくらいまで英語力がつくんですよね」

 ――英語でメールのやり取りをするのは簡単ではないと思うのですが、どうやって学んだのですか。

 「その会社の社長が英検1級の試験でスピーキングの試験官をするくらいの方で、仕事終わりに『英語講座をやるぞ』と言って教えてくれたこともありました。『簡単な英文をたくさん書け』『(その英文を)単語を変えて書いてみろ』などと教わって。メールがうまく伝わらない時は、社長が添削してくれて。社長が書いた和文を英文にする課題のようなものも出されました。当時はこなすのに大変でしたが、英語で文章を書く力はそこで身につけました。この会社には10年ほど勤めました」

 「一番心に残っているのが…

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