五輪需要もハロウィーンもコロナで消え…あの「マスク」幕引きへ

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上田雅文
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 住宅街の一角で政治家の顔に似せたゴム製マスクを作り続けてきた小さなおもちゃメーカーが、コロナ禍のあおりを受け、116年の歴史に幕を下ろす。日本の首相からアメリカ大統領、仏面まで手がけた顔はおよそ300。首相交代が迫る中、定番商品の製造にも影を落としている。

 この会社はさいたま市大宮区のオガワスタジオ(田中尚生社長)。パートを含め14人の従業員が、デザインから粘土・石膏(せっこう)での型作り、型に合わせてゴムを流し込む作業、髪や口、肌の着色など、製造過程のほぼすべてを手作業で作り上げている。

 「手に取った客がくすっと笑える雰囲気を大事にしてきた」と田中社長は言う。例えば、人気の米大統領を模したマスク。トランプ前大統領の特徴は怒鳴るような表情で、笑みを浮かべるバイデン現大統領とは対照的だ。

 1905(明治38)年にゴム工場として創業し、ゴム風船などが主力商品だった。戦後に株式会社となり、いまの社名に変わった。ゴム製マスクが生まれたきっかけは1968年公開のSF映画「猿の惑星」だった。作品にヒントを得てキャラクターなどを模したマスクやかつらを作り始め、次第に軸足を移していった。そして90年代に日本の首相のマスクを手がけるようになった。

 マスクは税込み2千~3千円台が中心。会社のウェブサイトやネット通販でも扱っているが、売り上げの7割ほどを占めるのが、ディスカウント大手「ドン・キホーテ」だ。

 歴代首相の中で一番売れたの…

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