ジョコビッチ、五輪の雪辱 史上3人目の年間グランドスラムに王手 

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 テニスの4大大会、全米オープンの第12日は10日、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで男子シングルス準決勝があり、12日(日本時間13日早朝)の決勝は第1シードのノバク・ジョコビッチセルビア)と第2シードのダニル・メドベージェフ(ロシア)の顔合わせとなった。ジョコビッチは勝てば、男子シングルスで1969年のロッド・レーバー(豪)以来となる史上3人目の年間グランドスラム(4大大会全制覇)と4大大会単独最多の通算21度目の優勝を達成する。

 準決勝でジョコビッチは東京五輪金メダリストのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を4―6、6―2、6―4、4―6、6―2でフルセットの末に下した。メドベージェフは第12シードのフェリックス・オジェアリアシム(カナダ)に6―4、7―5、6―2でストレート勝ちした。

 車いす部門のシングルス準決勝もあり、男子は東京パラリンピック金メダルの国枝慎吾ユニクロ)がゴードン・リード(英)に、4―6、6―4、6―2で逆転勝ち。女子は東京パラ銀の上地結衣(三井住友銀行)がジョーダン・ホワイリー(英)に6―1、6―3で勝ち、ともに決勝に進んだ。

 車いす部門の4組によるダブルス初戦は、女子は上地、ホワイリー組が大谷桃子かんぽ生命)、アンヘリカ・ベルナル(コロンビア)組を、男子は国枝、グスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)組がフランスのペアをそれぞれ下した。

東京五輪の雪辱果たす

 東京五輪では準決勝でA・ズベレフに敗れたジョコビッチ。「(五輪では)自分のショットを少し疑うところがあった。彼は私のサーブをよく読んでいた」。この夜は自らを信じ切る強さがあった。

 際立ったのは、勝負どころでの攻め方。第5セット第2ゲームで握ったこのセット最初のブレークポイント。ここで、仕掛けた。緩い球をネット際へ。A・ズベレフが体勢を崩しながら返球すると、すかさず脇を抜くパッシングショット。勝敗を分けるセットで、ポイントを確実に奪取した。

 加えて目を引くのは、この34歳のタフな精神。第3セット、今大会最長の53回に及ぶラリーで得点を与えた。直後。ラリーで揺さぶって得点を奪い返してこのセットを取った。A・ズベレフも「彼は必要なときにベストなプレーができる」というしかなかった。

 偉業まであと1勝。決勝に向け、ジョコビッチは「私のキャリアで最も重要な試合。(キャリア)最後の試合だと思って臨む」。

 メドベージェフ 4大大会3度目の決勝で初優勝を目指す。「私の持っているものをすべて出す」

車いす部門シングルスは国枝、上地が決勝へ

 車いすテニスで日本の男女のエースがシングルスで順当に決勝に進んだ。男子の国枝慎吾は金メダルに輝いた東京パラリンピックでも準決勝で当たったリード(英)に逆転勝ち。「疲れました。この大会を頑張れば、後はゆっくりできるというのが一番のモチベーションになっています」

 女子の上地結衣は長年ダブルスを組む親友のホワイリー(英)に完勝し、決勝は東京パラリンピック決勝で敗れた宿敵デフロート(オランダ)と当たる。「厳しい戦いを強いられると思うが、少しでもパラより良い試合をしたい」