カブールの子どもらの犠牲、米軍の誤爆か 米主要紙が相次いで指摘

アフガニスタン情勢

ワシントン=高野遼
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 アフガニスタンから米軍が撤退する直前の8月下旬、首都カブールで爆発物を積んだとみられる車両に対して米軍が実施した空爆が「誤爆」だった可能性があると、米主要紙が10日、相次いで報じた。この空爆では、子どもを含む民間人の一家10人が犠牲になったとも報じられている。

 米軍は8月29日にカブール市内の住宅街で乗用車を無人機によるミサイルで空爆した。車内に爆発物が積まれており、過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織による空港へのテロ攻撃の可能性があったと発表していた。直後から現地では誤爆の可能性が指摘されていた。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、空爆を受けた乗用車に乗っていた男性の足取りを、監視カメラの映像や関係者への取材で検証。男性は米国の援助団体職員で、当日は職場に出勤し、複数のポリタンクに水を入れて車に積み込み、自宅に戻ったところを空爆されて死亡したという。

 職場の監視カメラには、男性がホースでポリタンクに水を入れ、車に積み込む様子が映っていた。米軍は、この際に爆発物を積み込んだと誤認した可能性があるという。同紙の取材に、同僚らは爆発物の存在やISとの関係を否定している。

 ワシントン・ポスト紙は、現場の写真や映像から、空爆された車内に本当に大量の爆発物があったのかを複数の専門家に依頼して検証した。その結果、車や周囲の破損状況などから、車内に大量の爆発物が積まれていた可能性は低く、ガソリンに引火して爆発した可能性が高いとの分析結果が出たという。

 米軍は空爆により「二次的な爆発」が起きたことから、「車内に相当量の爆発物があったことを示すものだ」と空爆の正当性を主張していたが、そうした説明が揺らぐ可能性がある。

 当時の空爆をめぐっては民間人の犠牲が出たとの指摘を受け、米軍は調査を開始しているが、まだ調査結果は公表されていない。(ワシントン=高野遼)