つるしひな、町中元気に 湯浅町で重陽の節句、1万体がぶらり

下地毅
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 【和歌山】昔の町家がのこる湯浅町湯浅のあちこちで、ひな9720体のつるし飾りが、訪れた人を楽しませている。京都市から来た夫婦は「きれいだねえ」と話し、大阪市の夫婦は「ほんとに愛らしいねえ」と語っていた。

 「重陽(ちょうよう)の節句 後(のち)の雛(ひな)まつり」は、「湯浅伝建地区保存協議会」と「吊(つ)るし飾り1万2000体プロジェクト」が協力して5日に始まり、10月9日まで。

 今回で3回目。きっかけは、湯浅町の病院で昨年2月に国内初の新型コロナウイルス院内感染が起きたことだ。町民の有志が「プロジェクト」をつくり、町の人口とおなじ数のひなを町中につるして町民に元気になってもらおうと考えた。

 ひなづくりは町内外の市民が参加し、昨年9月の第1回は3003体、今春の第2回は6444体が集まった。制作は続いていて、今回の期間中に1万体を超え、来春の第4回に目標の1万2千体に達しそうだ。

 協議会会長の木下智之さん(62)は「コロナで家にこもりがちの中、ひなづくりが生きがいになっている町民もいます」、プロジェクト代表の炭原美幸さん(59)も「ひなを見るときは誰もが上を向いてニコッとします」と話していた。

 五節句のうち、3月3日の上巳(じょうみ)の節句(桃の節句)にひな人形を飾ることを春のひな祭りと呼ぶのに対して、9月9日の重陽の節句(菊の節句)で飾ることを後のひな祭りとも言う。(下地毅)