倒れた巨木、「若い衆」動かす 倒木から1年 岐阜・瑞浪

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戸村登
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 昨年7月の大雨の夜、岐阜県瑞浪市の大湫(おおくて)神明神社で、住民の心のよりどころだった、樹齢約670年の大杉が根こそぎ倒れた。江戸時代に旧中山道の宿場町として栄えた集落を見守ってきた巨木。一部保存への道筋をつけたのは、地域づくりに参加してこなかった30、40代の「若手」だった。

 大湫町は中山道大湫宿として栄えた。JR中央線の最寄り駅から歩いて1時間ほどのところにある。

 国勢調査によると、旧大湫村が1954年に周辺6町村と合併して瑞浪市になった当時と比べ、人口は327人に半減している。

 大湫町区長会長の足立亘さん(69)は昨年7月11日の夜、神社近くの公民館に避難所をつくり、車で自宅に向かっていた。神社の隣に住む男性が電話で「家から出られない」と助けを求めてきた。高さ約40メートルの大杉が倒れていた。「あり得ないことが起きている」と頭が真っ白になった。

 けが人はなく、住民は「奇跡だ」と喜んだが、地域が管理する神社のため、木の処理は住民主体で考える必要があった。

 動いたのは、若手住民だった。倒木の翌日、移り住んできた30代の住民らが「大湫大杉を応援する若手有志の会」を発足させ、SNSで情報発信を始めた。

 地元で育った若手も加わり、大杉の保存活用への協力を呼びかけるクラウドファンディング(CF)で約670万円を集めた。CFは、大杉を地元に残すために必要な資金の土台となった。最終的に大杉の一部保存を決めた「神明大杉再生検討会議」も、若手住民の発案が町の役員らに受け入れられてできたものだ。

 ただ高齢者の多い集落で、若…

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