「ハプニング」に金獅子賞 ベネチア国際映画祭、日本作品は賞逃す

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ベネチア=小原篤
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 第78回ベネチア国際映画祭は11日夜(日本時間12日未明)、コンペティション部門最高賞の金獅子賞をオードレイ・ディバン監督の「ハプニング」(フランス)に贈り、閉幕した。

 「ハプニング」は、中絶が違法だった1963年のフランスで、妊娠した学生アンヌが絶望的状況へ落ちていく様をじっくり追ったドラマ。小粒ながら、女性ばかりが困難を背負わされる社会への怒りが突き刺さる作品だ。

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「ハプニング」=ベネチア国際映画祭提供

 授賞式で金に輝く獅子のトロフィーを手にしたディバン監督は主演のアナマリア・バルトロメイを壇上に呼び、トロフィーを手渡して固く抱き合った。下馬評は高くなく、番狂わせとも言える結果だった。

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「ハプニング」でベネチア国際映画祭最高賞の金獅子賞を獲得したオードレイ・ディバン監督=11日夜、イタリア・ベネチア、ベネチア国際映画祭提供

 銀獅子賞(審査員大賞)にはパオロ・ソレンティーノ監督の「ザ・ハンド・オブ・ゴッド」(イタリア)が選ばれた。「グレート・ビューティー/追憶のローマ」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した地元イタリアの名匠が、両親の事故死という自らのトラウマと向き合った自伝的作品。愛と痛みが交錯するみずみずしい青春ドラマに仕立てた。

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「ザ・ハンド・オブ・ゴッド」=ベネチア国際映画祭提供

 下馬評は高く、映画祭会場で配られる映画紙「デイリー・チアック」の国内外の記者・批評家21人による星取表では1位だった。

 銀獅子賞(監督賞)は「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(ニュージーランド・豪)のジェーン・カンピオンに決まった。米モンタナ州を舞台に、ベネディクト・カンバーバッチ演じるカリスマ的な牧場主が弟の新妻に残酷な仕打ちをする物語は、「男らしさ」をたたえる西部劇の陰画と言える。

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「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」=ベネチア国際映画祭提供

 こちらも下馬評が高く、「ピアノ・レッスン」(1993年)で女性監督初のカンヌ映画祭パルムドールを獲得したカンピオンが、久々の長編作品でベネチアでも最高賞を射止めるかと思われたが、届かなかった。

 女優賞はペネロペ・クルス

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