新横綱・照ノ富士、初日はちょっとぎこちなく 兄弟子も涙の土俵入り

波戸健一
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 大相撲秋場所(東京・国技館)が12日に初日を迎え、新横綱の照ノ富士が白星発進した。

 本場所で初めて披露する土俵入り。照ノ富士は少し戸惑った。「思ったより、雰囲気が慣れなかった」。土俵を下りる際の体の動きにぎこちなさがあった。

 北の湖や貴乃花ら大横綱も苦杯をなめた綱の初日だ。さらに白鵬の休場で、いきなり一人横綱の重責を担う。年6場所制となった1958年以降で6番目に高年齢、29歳7カ月で昇進を果たした新横綱にも緊張があった。

 勝負になれば十分に持ち味を出した。横綱としての最初の相手は、13場所ぶりに三役復帰の逸ノ城。立つと同時に左まわしを引き、すかさず右を差した。関取最重量206キロの相手を落ち着いてさばき、4秒1で寄り切る完勝。土俵下で見守った藤島審判長(元大関武双山)を「まさに横綱相撲だ」とうならせた。

 4年前の秋場所で古傷の左ひざを痛めて途中休場し、大関から転落した。それから一度も上昇せずに序二段まで転がり落ちた。病気とけがを乗り越え、初めて観客の前で綱を締めたこの日、土俵入りで太刀持ちを務めた兄弟子の宝富士は感極まった。「横綱の背中を見た時に、すごいなって。ちょっと感動というか、うるっときた」

 2大関が敗れる波乱の初日、綱の重責をしっかり示した。「やっぱり責任を持って土俵に上がらないといけない。精いっぱいやっていきたい」。第73代横綱の船出の15日間が始まった。(波戸健一)

【動画】なるほど大相撲「横綱編」なってからも大変