第2回「遊牧民を見たい」で始まった30年 アフガン支援、情熱は冷めない

有料会員記事アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知
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ジャーナリストの安井浩美さん(後編) 【連載】アフガニスタンを思う②

 ジャーナリストの安井浩美さん(57)は、アフガニスタンで30年近く取材を続けてきました。戦場だけでなく、珍獣を追いかけたり、遺跡を調べたりしながら国中を歩きました。貧しい女性や子どもたちを助ける活動にも情熱を注いできました。

 ところが今年8月、イスラム主義勢力タリバンによる政権崩壊が起き、安井さんは首都カブールから自衛隊機で国外退避しました。退避先の隣国パキスタンから取材を続ける安井さんに、アフガニスタンの魅力や活動の展望を聞きました。

【連載】「アフガニスタンを思う」の初回はこちら

イスラム主義勢力タリバンが政権を握り、混乱が続くアフガニスタンにゆかりのあるジャーナリストや有識者に思いを取材する連載です。前回に引き続き、30年間アフガニスタンで取材をしてきた安井浩美さんに、アフガン取材を始めることになったきっかけなどを聞いています。

――アフガニスタンを訪ねたきっかけは何ですか。

 「少しさかのぼるとね、私はもともとカメラマンとか記者とかの仕事とは全く関係なくて、ファッション業界で働いてたの。1980年代に京都のデパートの洋服店で店長をしてた。系列店舗で販売実績が日本一になって、表彰されたこともあったんよ」

写真・図版
アフガニスタン中部バーミヤンで取材する安井浩美さん=本人提供

安井浩美(やすい・ひろみ) 洋服店の店長をやめて世界を旅した後、編集社カメラマンや旅行ガイドをしながら、1993年から内戦下のアフガニスタンを取材。2001年に移住し、共同通信社カブール通信員として働く傍ら、女性や子どもの支援活動にも取り組んできた。

 「ファッションのお仕事は嫌いじゃなかったんだけど、5年ほど働いたころ、旅に出たくなったのよね。子どものときにテレビで見た、あのシルクロード遊牧民を見てみたいなあって思った。そこでアフガニスタンが出てくるわけよ。アフガニスタンには遊牧民がいるから」

――ひとりで旅をしたのですか。

 「親友に声を掛けたら、二つ返事で私も行くって応じてくれてね。うれしかった。急いでリュックサックとかウォーキングシューズとか、寝袋とかを買った。仲良しの洋服のデザイナーさんには『なんでわざわざ大変な場所に行くの?』って言われたけどね」

 「まずは中国に渡って、西の外れのウルムチに行った。西に行くにつれて、だんだん顔の彫りが深くなって、イスラム教のお祈りの音が響き始めて、『何これ、日本とぜんぜんちゃうやん!』って、興奮したのを覚えてる」

 「その後、1年がかりでパキスタン、イラン、トルコ、ギリシャと順番にシルクロードをたどっていった」

――アフガニスタンには?

最初の旅で安井さんはアフガニスタンにたどり着いたのでしょうか?記事後半では、30年に及ぶ安井さんの取材対象やテーマ、アフガニスタンに情熱を傾ける理由を聞いています。

 「その旅ではアフガニスタン

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