女性監督作が2年連続最高賞、ベネチア映画祭 監督・脚本賞も女性に

有料会員記事

ベネチア=小原篤
[PR]

 第78回ベネチア国際映画祭(1~11日)コンペティション部門は、本命不在の混戦の中から女性監督3人が抜け出し、最高賞の金獅子賞、銀獅子賞(監督賞)、脚本賞をそれぞれ獲得した。女性監督作品の金獅子賞は昨年のクロエ・ジャオ監督「ノマドランド」から2年連続。そのジャオは今年、審査員を務めた。バトンはしっかりとつながった。

写真・図版
「ハプニング」=ベネチア国際映画祭提供

 金獅子賞「ハプニング」(仏)は、中絶が違法だった1963年のフランスで、妊娠した学生アンヌが絶望的状況へ落ちていく物語。小粒ながら、女性ばかりが困難を背負わされる社会への怒りが突き刺さる。下馬評は高くなく、番狂わせとも言える結果だった。

 オードレイ・ディバン監督は「私はこの作品を、怒り、欲望、ガッツ(はらわた)、心、頭で作った。観客はアンヌとなり、物語を体験してほしい」と語った。授賞式では、ショッキングで生々しいシーンを果敢に演じた主演アナマリア・バルトロメイを壇上に呼んで固く抱き合い、「彼女は単なる出演者でなくこの映画そのものだ」とたたえた。

写真・図版
ベネチア国際映画祭金獅子賞のオードレイ・ディバン監督=ベネチア国際映画祭提供

 監督賞のジェーン・カンピオンは「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(ニュージーランド・豪)で「男らしさ」のゆがみをえぐり出した。ベネディクト・カンバーバッチ演じる主人公の牧場主は、西部劇のヒーロー然としていながら、陰湿な方法で弟の新妻を追い詰めていく。

 下馬評は高く、「ピアノ・レ…

この記事は有料会員記事です。残り631文字有料会員になると続きをお読みいただけます。