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「空白」を共有する若者たち 斎藤環さんが案ずるコロナ世代の将来

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聞き手・富田洸平
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 長引くコロナ禍で、子どもや若者は長期の休校やリモート授業を余儀なくされています。仲間や友人と会ったり遊んだりする日常や、人生の節目となる経験もできぬまま、大人になる可能性も高まっています。精神科医斎藤環(たまき)さんは、若い世代は親たちのように「体験」を共有することができず、ぼんやりとした「空白」を共有することになるだろうと警告します。「コロナ世代」が負うかもしれないハンデについて話を聞きました。

写真・図版
斎藤環さん

                    

さいとう・たまき 1961年生まれ。筑波大教授。専門は思春期・青年期の精神病理学。「社会的ひきこもり」「ヤンキー化する日本」など著書多数。

 ――コロナ禍で、学生たちの心に負の影響が出ていると感じることはありますか。

失われた日常、若者の心に悪影響

 「学生同士の交流が激減しています。私の研究室には留学生も日本人もいますが、留学生は横のつながりが持てず、孤立して病んでしまうケースが出ています。日本人でも先輩と後輩で情報を共有しあったり、飲み会をしたり遊んだりする機会が絶対的に少なくなっている。コロナ禍で大学生が一番、割を食っているなと思います。もうちょっと早く生まれていたら、色々な経験ができたのに、と感じている学生は少なくないでしょう」

 ――コロナ禍と進学で新たなステージに上がるタイミングが重なった現2年生が受けた影響は、小中高でも大きいようです。

 「大学に限らずすべての学生が影響を受けています。休校やマスクの着用によって他者との接点が持ちにくくなりました。そもそも対面なしで人間関係を育むのは難しい。親密になるには『3密』の状態が必要ですが、いまは事実上禁止です。中学や高校では放課後に友達とつるんで遊んだり、互いの家に遊びに行ったり、恋愛関係を持ったりすることも、すごく難しくなっているのではないでしょうか。異例の学生生活は、これからじわじわと若者たちの心に影響を与える気がします」

 ――通常の学校生活は若者が社会と自分をつなぐ絆を構築するうえで重要なんですね。

記事の後半では、日本の漫画やゲームに「学校もの」が多い理由、コロナ禍で見込まれるマイナス効果、こころの健康を保つための手段について語っています。

 「海外と違い、日本の学校は…

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