マカオで民主派議員がゼロに 「愛国者」以外を排除、香港にも波及か

深圳=奥寺淳
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 中国の特別行政区マカオで12日、立法会(議会、33議席)選挙が行われた。当局側が「愛国者」と認めない民主派候補者の立候補資格を取り消したため、1999年にポルトガルから中国に返還されて以降、初めて民主派議員がゼロとなった。中国政府が「一国二制度」を適用する香港やマカオから民主派を排除する姿勢が鮮明となった。

 12月に立法会選挙がある香港でも民主派候補者の排除が予想されており、マカオ立法会選はその行方を占うとみられていた。香港もマカオと同様に「愛国者」でなければ立候補できなくなり、従来の民主派が立候補して議席をとる可能性は極めて低くなった。

 マカオの立法会選は、市民の直接投票枠が14議席、親中団体を中心とした業界団体が選ぶ枠が12議席、さらに中国政府に近い行政長官が7議席を選ぶ仕組み。地元メディアによると、今回の選挙で中間派が得た3議席を除き、親中派が議席を占めた。投票率は42・38%。民主派が排除されたことで関心も高まらず、マカオの中国返還以来、最低の投票率となった。

 マカオはもともと親中派の地盤が強い。民主派は2017年の前回選挙でも4議席にとどまり、存在感は薄かった。しかし、今回は選挙管理委員会の事前審査で、数少ない民主派の候補者ですら、中国共産党の指導を受けるマカオ政府に忠誠を尽くしていないとして7月に立候補資格を取り消され、当局による民主派を徹底的に排除する姿勢が鮮明となっていた。(深圳=奥寺淳