「ちょっといいですか」 鶏卵業者、法廷で発言求め吉川元農相を擁護

阿部峻介
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 大臣在任中に鶏卵業者から計500万円の賄賂を受け取ったとして収賄罪に問われた元農林水産相・吉川貴盛被告(70)の第2回公判が13日、東京地裁であった。贈賄側の業者が証人出廷し、渡した金は「盆暮れのあいさつや大臣の就任祝いだった」としつつ、一定の賄賂性も認めた。

 証人は鶏卵大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表・秋田善祺(よしき)被告(87)=贈賄罪で分離公判中=で、この日は検察側が尋問した。

 秋田前代表は2013年に地元選出の河井克行・元法相の紹介で知り合った吉川元農水相に対し「非常に好感を持った」といい、「業界のためになる」と考えて盆暮れに現金を渡すようになったと振り返った。

 そのうえで起訴内容となった大臣在任中の500万円の趣旨について説明した。18年11月の200万円は「大臣の就任祝い。それに暮れなので」と証言。「業界の諸問題を支援してほしいという気持ちは」と聞かれると「心の中にはあった」と答え、国際機関が策定した鶏の飼育基準案に反対してもらう趣旨も「含まれる」と述べた。

 19年3月と同8月の計300万円の趣旨もほぼ同様としたが、検察側が指摘する日本政策金融公庫の融資条件の緩和については、吉川元農水相とのやり取りは「記憶にない」と答えた。

 閉廷間際には自ら「ちょっといいですか」と発言を求め、「吉川さんから現金をくださいと言われたことは一切ない」とかばった。

 吉川元農水相は現金の受領は認めつつ、「あくまで政治献金」と賄賂性を否定して無罪を主張。秋田前代表は自身の公判では賄賂性まで認めている。(阿部峻介)